アメリカ合衆国が富裕層への課税を重くし、貧困層や中間層を保護する方針を発表しました。
バイデン大統領は「トリクルダウン」理論を完全否定するツイートも。詳細は以下から。
富裕層がより富むことを肯定する際に語られてきた「富める者が富めば貧しい者にも富がこぼれ落ち、経済が良くなる」とするトリクルダウン理論。
これに対しバイデン大統領は4月29日、公式ツイッターアカウントで「トリクルダウンはまったく機能してこなかった(Trickle-down economics has never worked.)」とツイートしました。
加えて「経済を下から上へ、そして中間から大きく成長させていく時だ(It’s time to grow the economy from the bottom up and middle out.)」と語り、わずか40分ほどの間に4万以上のいいね!を獲得しています。
バイデン大統領は実際に4月28日には格差の是正をめざし、10年間で1.5兆ドル(約160兆円)の税収増を見込む新たな経済政策構想「米国家族計画」をまとめています。
この計画は富裕層限定の増税となり、連邦個人所得税の最高税率を37%から39.6%に上げた上、富裕層のキャピタルゲインにこの最高税率を適用することなどを提案。また富裕層や企業への税務調査を徹底し、10年間で7000億ドル(約7兆5000億円)の税収増をめざします。
こうして集めた財源は中低所得層の保育負担の軽減、包括的な有給休暇制度の確立、幼児教育の機会拡充といった子育て・教育支援に振り向けられるとのこと。
ただし共和党はこの方針に強く反発しており、金融界からも市場への悪影響を懸念する声が聞かれている模様です。
なおトリクルダウンは2014年にOECDに否定されている上、日本でも2016年に竹中平蔵も「あり得ない」と断言するなど、再分配の理論としてはすでに過去のものとなっています。
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