「人工母乳」を人間の培養細胞から世界で初製造、粉ミルクより本物に近く栄養も豊富



牛乳を原料とする赤ちゃん向けの粉ミルクや液体ミルクとは全く違う、人間由来の栄養豊富なミルクが登場します。詳細は以下から。


母親の母乳の代替品として広く使われる粉ミルクや近年日本でも認可された液体ミルク。いずれも牛の乳を原料としていますが、新たに培養された人間の細胞から人工母乳がお目見えしそうです。


BIOMILQ社は人間の乳腺細胞を培養することで、これまでの粉ミルクなどにはない多様な栄養素を含む人工母乳の生産に成功したと発表。また、この人工母乳は他の代替品に比べて環境負荷がはるかに少ないとしています。


「人工母乳の複雑な成分構成は、細胞同士の複雑な関係と体内での乳の分泌の際の状況を模倣したことによって達成できた」と同社の共同創始者のLeila Strickland博士は主張。

人工母乳は本物の母乳と完全一致ではないものの、母乳に含まれる重要なオリゴ糖を中心にこれまでの代替品にはない栄養素を含んでいます。


もちろん本物の母乳は各種の栄養素やたんぱく質、抗体など赤ちゃんに必要な成分を含み、個々人でも違うため、完全に置き換えることはできません。BIOMILQ社はこの事実認めた上で、健康状態や投薬などで母乳を与えられない場合のよりよい代替品として人工母乳を捉えています。


現在は乳児用の飲食物として販売するための審査基準をクリアするための作業と、安全な大量生産体制の確立に向けた増産体制の構築を行っているとのこと。

すでに培養肉の商業化に向けた動きは世界中で進んでおり、ここに来て人間の細胞から作られた人工母乳が登場したわけですが、次はいったい何が作られることになるのでしょうか。

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