ただでさえ専門技術へのただ乗りが批判されてきた東京オリンピックの医療ボランティア。
あらたに新型コロナへの感染リスクが上乗せされましたが、組織委は何が何でも報酬を支払わない方針のようです。詳細は以下から。
新型コロナのパンデミックの終息が見えない中、ウィズコロナでも東京オリンピックを開催を強行する構えの日本政府と東京都、そして組織委員会。
先日も海外選手らが通常新型コロナ対策として行われている入国後14日間の隔離を免除する案が取りざたされたばかりです。
ですが、現在それぞれの職場で新型コロナ対策で疲弊し、東京オリンピックでも現場で感染リスクに晒されることが予想される医療ボランティアに対し、組織委は「報酬を原則的に支払わない」とするコロナ禍以前の方針を堅持する方針です。
必要とされる医療ボラは5000人以上。新型コロナ以前の業務に加え、選手や観客への感染防止対策など新たな仕事が加わるのは間違いなく、自身も感染リスクを負うことになります。
組織委は観客の熱中症対策などとして収容人数1万人以下の会場に医師2人、看護師4人を配置。収容人数が1万人増えるごとに医師1人、看護師2人を増やす計画でした。
その際、各会場の責任者計約50人以外は全員無報酬との条件で病院や医師会に人材提供を依頼していましたが、これには専門技術を持つ人材を無償で「徴用」しているとコロナ禍以前から批判が噴出していました。
組織委が協力を取り付けた数10の病院の過半数は職員を出向など勤務扱いで派遣し、給料から医師らに活動の対価を支払います。これは病院が東京オリンピックの医療経費の肩代わりをしていることになります。
その他の病院は希望者に休暇を取らせてボランティアで参加してもらうとのこと。ですがこのコロナ禍で多くの医療従事者は疲弊しきっており、病院としても深刻な人手不足や経営難に悩むんでいるのは誰もが知るところです。
東京新聞は五輪会場で1日当たり計200~300人の医療従事者が必要となると報じていますが、仮に日当を1万円支払ったとしても大会全体でわずか数億円にしかなりません。
もともとコンパクトで「世界一カネのかからない五輪」として招致したものの、気が付けば3兆円にまで経費が膨らみに膨らんだ東京オリンピック。
誤解する人がいるので言う。2020東京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです。
— 猪瀬直樹/inosenaoki (@inosenaoki) 2012年7月27日
コロナ禍の中で極めて過酷かつ危険な作業を求められる医療ボランティアに対しては1円たりとも報酬を払わない上に自らの役員報酬(年間2400万円)は減らす気もないという組織委の姿勢にはさすがに批判も集まりそうです。
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