「一般社団法人日本クルド文化協会」が渋谷署の警官による暴行への抗議デモに不支持を表明→自称保守界隈の集団が母体でした



警察官によるクルド人男性への暴行に抗議するデモに対して突然不支持の声明を発表し、ネット上でトレンドになっている謎の団体。いったいどんな人たちの集まりなのか、なぜ不支持を表明したのか、調べてみました。詳細は以下から。


◆渋谷警察署へのデモに不支持を表明した「日本クルド文化協会」
この問題の発端は、東京都渋谷区の路上で日本の警察官2人が在日クルド人に暴力的な職務質問を行い首に全治1ヶ月のけがを負ったこと。そして警察官らに男性が押さえ込まれるショッキングな動画を知人が撮影しており、ネット上で拡散されたことにあります。

アメリカ合衆国で白人警官に黒人男性のジョージ・フロイドさんが膝で首を踏みつけられて殺害された事件と同時期だったこともあって大きな反響となりました。日本人への職務質問では行われない暴力的な扱いを外国人差別であるとし、抗議の意を示すべく5月30日に渋谷警察署前でデモが行われました。


これに対し、一般社団法人日本クルド文化協会なる団体が不支持を訴え、ツイッター上などで大きな話題となっています。

魚拓

声明文では「当協会はデモを支持する立場ではなく、いかなる関与もしていない」と無関係であることを明言。

その上で「クルド人の行為は、日本の法律・慣習に照らし合わせて、擁護する余地はありません。もし彼が交通規則を守り警察の要請に適切に対応していれば、警察官もあのような対応に出たのか疑問があります」とし、自業自得であると断定。

その上で「在日クルド人は日本の法律・慣習を尊重いたします。当協会はこれからもクルド人が日本社会で軋轢を起こすことがないよう指導して参ります」としていますが、「クルド人を指導する」と表明する彼らはいったい何者で、どのような立場の集団なのでしょうか?調べてみました。

◆日本クルド友好協会の役員にずらりとならぶ保守人脈
Business Journalによると、日本クルド文化協会はクルド人でつくる団体とのことですが、その母体であり、日本クルド友好議員連盟の事務局も務めているのが一般社団法人日本クルド友好協会。

日本クルド友好協会事務局の担当者はBusiness Journalに対して以下のように答えています。

「警察の職務質問はクルド人でなくても、日本人も受けます。今回、クルド人の男性が法律違反を犯したことは紛れもない事実です。

 文化協会も友好協会も、ともに在日クルド人に日本国内のルールを守るよう指導してきました。郷に入っては郷に従えというのは国際社会の常識です。

(後略)

日本クルド文化協会「なぜか1社も日本のマスコミから取材がない」:渋谷デモに在日クルド協会が異例声明 _ ビジネスジャーナルより引用)


では日本クルド友好協会の公式サイトの当協会について」(魚拓というページを見てみましょう。


この役員欄に名誉会長として名前が挙がっているのは平沼赳夫氏。自民党で経産相、通産相、運輸相、などを歴任した後に極右政党「たちあがれ日本」「次世代の党」などの代表にもなった極めて保守色の強い人物。

日本会議国会議員懇談会会長を務めており、従軍慰安婦問題や外国人参政権・人権擁護法案などへも反対の姿勢を打ち出しています。2017年に政界は引退。


会長を務めるのは頭山興助氏。アジア主義者の巨頭と呼ばれ、国家主義運動の草分けともされる頭山満氏の孫であり、同氏の思想を受け継ぐ極めて保守色の強い政治団体呉竹会の代表を務める人物です。


ツイッターのプロフィール呉竹会公式ブログで新型コロナウイルスを「武漢肺炎」と呼んでいる時点でいろいろ察せられますが、それだけにはとどまりません。


自民党の杉田水脈議員和田政宗議員、そして高須クリニックの高須克弥院長なども講演に招くなど、自称保守界隈との繫がりが極めて密であることが見て取れます。



続いて代表理事の木下顕伸氏はISISと戦う ~分断された、国を持たない世界最大のクルド民族4600万人なる著作を持ち、NPO法人国際難民援護協会の代表も務める人物。


国際難民援護協会は日本クルド文化協会のイベントへの協賛なども行っており、もともと関係が近いことは十分考えられます。

これ自体は特に問題はないのですが、木下顕伸氏本人のブログを見てみると、今回の渋谷での抗議デモについてヘイトクレイムデモがヘイトを生む。(編集部注:原文ママ)なるポストを投稿しています。

6、日本にも抗議活動が波及し、ヘイトクレイムの団体により、クルド人青年が警官から職務質問を受け暴行を受けたとして抗議デモを行った。

7、警察官がクルド人青年を取り押さえる動画が、ネット上で話題になりそれに便乗したヘイトクレイムの団体がこれを取り上げデモ活動を行った。

ヘイトクレイムデモがヘイトを生む。 _ 木下顕伸の日本・中東・世界情勢の解説より引用)


ヘイトクライムは人種、宗教、民族、性別、セクシャリティ、障害などの属性に対する差別や偏見を動機とする犯罪ですが、ヘイトクレイムはGoogle検索しても木下顕伸氏の当ブログ記事の他には、自民党の山田太郎議員がヘイトクライムと書き間違ったと思われる投稿しかヒットしません。

文脈から、このブログ記事での「ヘイトクレイムデモ」、「ヘイトクレイムの団体」がヘイトクライムの書き間違えとは読めませんが、「差別を扇動する主張」という造語でしょうか。

これは外国人差別への抗議デモだったので、木下顕伸氏が差別問題を理解していないか、悪意を持って造語で揶揄しようとしたかのどちらかと考えるのが妥当かもしれません。

理事の石川多聞氏は自民党の元茨城県議会議員であり、佐藤栄作元総理の秘書を務めた経験を持っています。また「世界調和と人類繁栄」の構築を目途に発足し、佐藤元総理が初代総裁を務めた日本会・日本総調和連盟の機関紙「総調和」の編集長を務めた人物でもあります。

現在この日本会は公益社団法人となっており、2000年から外国人技能実習生の受け入れ事業を行ってきています。


もうひとりの理事である藤井厳喜氏は1999年に安部晋三現内閣総理大臣、日本のこころの西村眞悟元衆議院議員、岡崎久彦元駐タイ大使らの協力のもとに日米保守会議を創設した人物。

2007年には極右ネットテレビ局であるチャンネル桜でキャスターも務めており、たちあがれ日本代表時代の平沼赳夫名誉会長に求められて参院選に出馬するも落選しています。

現在、講演録である太平洋戦争の大嘘なる著作が発売されていますが、これを読むと「『日本人が悪かった』というわれわれが信じ込まされてきた太平洋戦争とは真逆の姿、戦争の真実が次々と浮かび上がります」とのこと。


目次の筆頭に「反日プロパガンダは、日本の国そのものに対する攻撃である」とぶち上げられているなど、なかなかに刺激的な内容です。

さて、日本クルド文化協会がどのような思想を持った人々によって作られているかはごらんのとおり。

ずらりと並んだ保守・極右の人脈を見ると、声明文の中の「在日クルド人は日本の法律・慣習を尊重いたします。当協会はこれからもクルド人が日本社会で軋轢を起こすことがないよう指導して参ります」という言葉の意味もまた違って見えてくるのではないでしょうか。

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