「自己都合退職扱いにしたから退職金払うわ」黒川前検事長への退職金差し止め要求を安倍首相が拒否



「自己都合に伴う退職」扱いにしたのが安倍内閣であることは改めて指摘するまでもありません。詳細は以下から。


◆黒川前検事長は「自己都合に伴う退職」と安倍首相が明言
安倍首相が6月11日の参院予算委員会で、新型コロナの緊急事態宣言下であるにも関わらず賭けマージャンに興じて辞職に追い込まれた黒川弘務・前東京高検検事長に退職金を予定通り支給する方針を明言しました。

立憲民主党などによる野党共同会派の小西洋之議員は質疑で「黒川氏の行為は(訓告よりも重い)懲戒処分に相当する」と再調査や処分のやり直しを求め、約5900万円にのぼる退職金の支払いを差し止める権限を行使すべきだとも訴えました。

ですが首相は「法務省および検事総長で、事案の内容等諸般の事情を総合的に考慮し、訓告が相当と判断した」と強調した上で、結果として自己都合に伴う退職になった。それに相当する減額がされたと述べて退職金の差し止めを拒否しました。

◆黒川前検事長を訓告としたのは安倍内閣
5月25日に共同通信は複数の法務・検察関係者が法務省は国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたものの、官邸が懲戒にはしないと結論付けて法務省の内規に基づく「訓告」となったことを証言したことをスクープ。

森雅子法相も5月22日時点で「法務省内、任命権者である内閣とさまざまな協議を行った」とした上で、最終的に内閣で決定がなされたものを、私が検事総長に『こういった処分が相当であるのではないか』と申し上げ、検事総長から訓告処分にするという知らせを受けたと発言しています。

法務省のトップである森法相が最終的な訓告の決定を内閣が行ったことを明言しているため、訓告が相当と判断したのは安倍内閣であることが明白。名実ともに黒川前検事長を「結果として自己都合に伴う退職」にしたのは安倍内閣ということになります。

◆検事総長も法務省も法的に黒川前検事長を「懲戒処分」にはできない
そもそも論ですが、高検トップの検事長は内閣が任命して天皇が認証する「認証官」に当たります。その任命権者は内閣にあり、首長である安倍首相が最終的な決定権を握ります。

国家公務員法では任命権者が懲戒処分をすると規定しているため検事総長に検事長を懲戒する権限はなく、法的な意味で懲戒処分にするもしないも安倍内閣の胸の内ひとつです。

◆「賭け麻雀は賭博罪」とした自らの閣議決定とも矛盾
なお、「賭け麻雀は賭博罪」であることを安倍政権は2006年に閣議決定し、財物を賭けて麻雀又はいわゆるルーレット・ゲームを行い、その得喪を争うときは、刑法の賭博罪が成立し得るとしています。


自らが刑法犯であるとした黒川前検事長が訓告で済むのであれば、どのように「事案の内容等諸般の事情を総合的に考慮」したのかのプロセスを明示しなければ、今後の賭博罪の運用に大きな障害が残ることになります。

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