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日本の少子高齢化にまったく歯止めが掛かりません。詳細は以下から。
総務省が公表した2015年国勢調査の抽出速報集計結果によると、65歳以上の高齢者人口が10年前の前回調査時に比べて14%増加して3324人となり、過去最高を記録しました。高齢者の割合は26.7%と1/4を超え、5年前に続いて世界最高記録を保持しています。
同時に少子化も進んでおり、15歳未満の子供の人口の割合は12.7%と過去最低となり、調査開始以来初めて全都道府県で高齢者人口が子供人口を上回りました。若い人が集まるとされている東京や大阪などの大都市を擁する都道府県ですら押し寄せる少子高齢化の波に抗えていないことが鮮明に示されています。
一方、厚生労働省が毎年実施している「国民生活基礎調査」によると、高齢者だけで暮らしている世帯が一昨年よりも約50万世帯増加し、推計で約1268万8千世帯となって過去最多を更新。これは日本国内の全世帯の25.2%に相当し、初めて1/4を超えました。
18歳未満の子供のいる「子育て世帯」は全体の23.5%に当たる1181万7千世帯で一昨年より0.9%増加していますが、この20年間では10%近く減少しており、厚生労働省は「今後も少子高齢化が進んでいくとみられる」とコメントしています。
ここで大きな問題となるのは高齢者だけの世帯が急速に増加していること。現在老老介護を苦にした殺人や心中などのニュースが少なからず聞かれますが、今後そうした事件がさらに増えることは間違いなさそうです。
折しも財務省が介護保険の「要介護1、2外し」を目論んでおり、こうした世帯の介護の負担がさらに莫大なものになることは予想に難くありません。また、子供の人口の割合が減ることで年金問題は溶けた5兆円の問題を別にして今後さらなる苦境に陥ることになります。
若い世代にこれらの社会保障の負担がこれまで以上にのしかかることになれば、結婚・育児は今以上に困難となり、少子高齢化のデススパイラルはさらに深刻なものになってゆきます。
現時点では財源不足を理由に社会保障が削減の一途を辿っていますが、富裕層や大企業への課税強化、タックスヘイブンの規制など、累進課税をベースにした再分配を早急に行わない限り、日本の今後の見通しが改善することはなさそうです。
全都道府県で子供より高齢者多く 15年国勢調査人口 :日本経済新聞
高齢者だけの世帯 初めて全体の4分の1超に NHKニュース
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