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卑劣なヘイトスピーチへの対策が大きな前進となりそうです。詳細は以下から。
大阪市で全国初のヘイトスピーチ抑止条例が施行されてから1年、根絶に向けてさらなる条例改正案が提出となりそうです。
2016年1月15日に大阪市議会本会議において自民党を除く各会派の賛成多数によって成立し、同年7月1日に前面施行されたヘイトスピーチ抑止条例。
特定の人種や民族への差別や排除を煽るヘイトスピーチ(差別扇動表現)を抑止するため、有識者でつくる審査会と市がヘイトスピーチと認定した場合、行った個人や団体の名前を公表されることになっていました。
しかし、施行後にヘイトスピーチ認定された動画などについて、いずれも個人情報保護や通信の秘密との兼ね合いで実名を特定できずに投稿者名での公表にとどまっており、ネットの匿名性がヘイトスピーチの抑止を困難にしてきました。
吉村洋文市長は2018年2月の議会に改正案を提出し、ヘイトスピーチと認定した投稿者の氏名の開示義務をプロバイダーに課し、氏名公表に向けた方法を検討するとしています。
吉村市長は「違法なヘイトスピーチを不特定多数に知らしめる人の氏名を保護する必要はない」とし、「ネット社会の自由は行き過ぎている。投稿者名の公表でも意義はあると思うが、不十分。ひとつしかない氏名の公表が、抑止効果と拡散防止措置につながる」と法改正への意欲をにじませています。
なお、本条例でのヘイトスピーチの定義は「不特定多数の者が知りうる場所や状態で、人種や民族に係る特定の属性を有する個人や集団を社会から排除したり、権利や自由を制限したり、憎悪や差別の意識や暴力を扇動する目的で、侮蔑や誹謗中傷したり、脅威を感じさせること」となっており、ヘイトスピーチ対策法よりも踏み込んだものとなっています。
大阪市の取り組みは賞賛すべきものですが、これは本来は法律として日本全国一律で行われるべきもの。ヘイトスピーチ対策法も合わせて改正を重ねてより効果的なものへとバージョンアップさせていく必要があります。
大阪市長:「ヘイトに実名開示義務」条例改正提案へ - 毎日新聞
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