生徒と教師を学校に縛り付ける長期休暇中の運動部の活動が禁止されるという画期的な方針が話題になっています。詳細は以下から。
◆夏休み・冬休みは運動部禁止
新潟県加茂市が8月2日、市内の5つの市立中で夏休みなど長期の休暇期間中は原則として運動部活動を休止するとの方針を決めました。
これは生徒や教員への負担軽減が狙いで、運動部にくわえて吹奏楽部など一部の文化部にも適用されるとのこと。8月1日付で各中学校に通達されました。
スポーツ庁の担当者は「同様の事例はこれまでに聞いたことがない」としていますが、競技力向上などの面から練習を望む生徒もいるとの指摘に対し、小池清彦市長は「方針に従ってもらうしかない。自主練習をしてほしい」と断言。
なお、加茂市の方針では夏休み期間中は2日、冬休みと春休みは1日だけ活動日を設定します。
◆生徒と教師を学校に縛り付ける最大の要因
日本の中学校、高校では極めて長い間何らかの部活動に所属し、全力でその活動に邁進することが中高生のあるべき姿というイメージが植え付けられてきました。
実際には部活動への所属は勉学とは関係がない任意のクラブ活動でしかないはずですが、半ば強制的に所属を求められ、所属しない生徒は「帰宅部」などと揶揄されて不良の予備軍扱いされることも珍しくはありませんでした。
部活動によって、土日を含めた生徒の学外での時間が大きく制限され、人間関係が狭い学校の内部だけに囲い込まれることは既に問題視されていましたが、教師にとっても無賃労働を強いられ、休日を返上させられるという誰にとっても得のない制度がこの部活動と言えるでしょう。
そうした風潮の中での加茂市の方針は大英断と称するべきもので、夏休み・冬休みといった長期休暇を生徒及び教員の手に取り戻す極めて画期的な決断です。ツイッター上などでも「加茂市 部活」で調べてみると(今年の夏の異常な暑さという要因はあるかもしれませんが)好意的な感想が非常に多くなっています。
それでも競技力を向上させたいという生徒は自分の頭で考えて自主練習を行えばよいだけの話で、集団の中にいて誰かに指導されなければ練習すらできないようでは将来性などありません。
今回の加茂市の方針がモデルケースとなり、全国に広がっていくことになるでしょうか?
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