日本の社会人はみんな知っている「あるある」話がデータとして明示されています。詳細は以下から。
◆日本の有休取得率、有休取得日数が最下位
出勤は定時の5分前が当たり前、大震災が起ころうと這ってでも出社する真面目な日本の社会人。それなのに退勤時間は誰も守らないと在日外国人からは不思議がられていましたが、不本意なことに有給取得率までもが最下位という極めて不真面目な結果が示されてしまいました。
旅行予約サイト運営会社のエクスペディアが欧米やアジアなど19の国・地域を対象に有給休暇・国際比較調査を行いました。その結果、日本の有休取得率、有休取得日数が共に最下位という調査結果を公表しました。
日本はこの調査で3年連続最下位で、有給取得率は50%という惨憺たる結果に。これはワースト2位のオーストラリアの70%と比べてすら20%低いという名実ともにぶっちぎりの最下位です。
また有給休暇の取得日数においても、アメリカとタイと並び10日で世界最下位という結果になっています。
◆権利である有給に罪悪感を感じる日本人
この調査では、日本人に有給休暇の取得に「罪悪感がある」と答えた人が58%と世界で最上位となりました。同時に「自分は今より多くの有給休暇をもらう権利がある」と考える人は54%と最下位。
有給休暇は法的に認められた働く人の当然の権利です。しかし50%しか取得していないのにも関わらず、もっと有給休暇をもらう権利があると考える代わりに罪悪感まで覚えてしまう不思議なメンタリティが浮き彫りになっています。
この理由としてはバブル期までに社会人として右肩上がりの社会で、いわゆる「モーレツ社員」としてバリバリ働いた世代の存在が挙げられます。
50%しか有休を取得していないも関わらず「休み不足」と感じる日本人の割合は53%とかなり低めなのですが、この内訳を世代別に見ると18~34歳は62%、35~49歳は61%と休み不足を感じているにも関わらず、50歳以上の上司世代は40%と極めて低くなっています。
これに絡んで「上司が有給休暇の取得に協力的」と回答した日本人の割合が43%と世界最下位となっており、自分は休みたいのに上司が休むのを認めない空気を発しているという日本の社会人としては一度は経験したことのあるシチュエーションが全国に今も蔓延していることが読み取れます。
2018年に成立した働き方改革関連法には長時間労働を抑制するため有休の取得促進策も盛り込まれましたが、そう簡単にこの日本社会にこびりついた悪習を払拭することはできなそうです。有休を完全消化しきれない場合には、上司に法的ペナルティを科して企業名を公表するなどなど、より厳しい姿勢で法令を順守して当然という社会を作り上げる必要があります。
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