ネット上の有志らの手によって、痴漢被害をマッピングするシステムが実現に向けて動き始めています。詳細は以下から。
いつになっても一向に減る気配の見えない痴漢被害。ツイッターなどのSNSによって被害の多さが可視化されてきましたが、その実態のあまりの酷さは想像を絶するものです。
痴漢が明確な、そして極めて卑劣な性暴力であることに異を唱える人はいないと思いますが、痴漢対策や被害を訴えるハードルは現在でも決して低いものではありません。先日は安全ピンを使った痴漢対策が話題となりましたが、賛否両論が噴出する事態になりました。
ただしその後、安全ピンで痴漢に対抗した被害者をトラブル発生時に無償で弁護する弁護団が結成された他、シャチハタが「痴漢対策はんこ」の開発をツイートするなど、少しずつじわじわと痴漢撲滅に向けた動きが進んでいます。
本件大変な反響を頂いております事、真摯に受け止めます。様々なご要望を頂いておりますが、最初にご提案できるのは従来のネーム印とほぼ変わりません。そして今後段階的に形にできればと考えております。
— シヤチハタ株式会社 🐈【公式】 (@ShachihataBS) 2019年5月27日
とはいえ、目指すべきはこの社会問題が根絶され、“護身用グッズが必要ない世の中”になる事です https://t.co/Ust1yiANhZ
こうした中でビッグデータを活用して痴漢被害の可視化を図ろうとするプロジェクトが進行しています。ツイッターユーザーうさぎコンサルタントさんが発起人としてフォロアーのエンジニア諸氏と協力し、システムの構築を進めている状況です。
5月24日のツイートは現時点で13000件を超えるリツイートと15000件のいいね!を獲得しています。事故物件サイトとして有名な「大島てる」のような形の、痴漢に遭った被害者らが自らの被害状況を入力してマッピングできるシステムを想定しているとのこと。
痴漢被害ビッグデータ化!!これすごい良案!!その場で声あげられなくても、泣きながらでもデータ打ち込めばマッピングされて他の被害者たちのためにもなる仕組み!!痴漢被害マッピングシステム。大島てる的な。気の利いたSIer企業はこれやれば一発ドカンだからぜひ。 https://t.co/subUsOHRuW
— うさぎコンサルタント (@usagi_CON) 2019年5月24日
痴漢被害が多いことが可視化されれば、その路線を使ったり沿線に住もうとする女性が減少する可能性があります。一方で痴漢被害が少なければ、1人暮らしの女性や娘を持つ家族にとっても路線の利用や沿線への居住の大きな動機づけともなり得ます。
痴漢は通勤・通学中に犯行に及ぶケースも多いため、可視化されることで私服警官が張り込んで逮捕に至れる可能性も大きくなりますし、こうした可視化の試み自体が痴漢への抑止力となることは間違いありません。
この1ヶ月後、6月26日の開発が進んでいるとのツイートも13000件を超えてリツイートされるなど、期待値の大きさが伺えます。
これ、実現に向かって動いてます。ガチで作りましょう!と言ってくれたSEのフォロワさんと打ち合わせしました!私たちだけで決めるよりみんなの声を聞きたいので、近々モニターアンケートとります!ぜひみなさんご協力お願いします!これ全員100%ボランティアでやりますのでご心配なく!#痴漢DBPJ https://t.co/kjTVe4p8PH
— うさぎコンサルタント (@usagi_CON) 2019年6月26日
現在、作業はボランティアで行うとの方針ですが、情報の継続的なアップデートやメンテナンスに人手や費用が掛かるため、寄付やクラウドファンディングを実施してはどうかとの提案も相次いでいます。
実際に開発されれば各自の自己防衛のみならず、警察や鉄道会社へのアプローチの際にも大きな役割を果たす可能性のあるこのシステム、支援の動きはさらに広がっていきそうです。
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