さすがにゆるやかな景気回復とは言いにくい状況となっています。詳細は以下から。
消費増税が行われた直後の2019年10月から12月までのGDP(国内総生産)改定値が物価変動を除いた実質で前期比1.8%減、年率換算の実質伸び率が-7.1%に落ち込んだことが明らかになりました。
これらの数値は2月に公表された速報値での前期比-1.6%、年率-6.3%から大幅にマイナス幅が拡大しています。
マイナス成長は5四半期(1年3ヶ月)ぶりとなり、前回消費税率が引き上げられた直後の2014年4~6月期の年率-7.4%以来、5年半ぶりの急激な落ち込み幅となりました。
ただし、2016年に従来「経費」として扱ってきた研究開発費を「投資」とみなしてGDPに加える新基準への切り替えが行われていることから、当時の数字と単純比較はできないため注意が必要です。
実質GDPの需要項目別では、個人消費は速報値の-2.9%から微増で前期比‐2.8%となりました。これは消費税率の引き上げの影響が5年半前と同様に極めて大きかったことを示しています。
また企業の設備投資は速報値の-3.7%から-4.6%へと大幅減少。こちらには米中の経済戦争といった世界経済の減速に伴い、電気機械や情報通信機器の製造業などで投資が落ち込んだためとのこと。
生活実感に近い名目GDPでも速報値で前期比-1.2%のところが-1.5%、年率では-4.9%が-5.8%といずれも大きな落ち込みを見せています。
言うまでもなくこれらの数値は新型コロナ流行前のもの。新型コロナの流行でインバウンドが名実ともに壊滅した1~3月期には、いずれの数値もさらに落ち込むことが確実です。
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