By Ed Yourdon
9月から始まり、「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」をスローガンに今も続いているデモ。「私たちは99%だ(We are 99%)」として、莫大な富を独占している1%に対して抗議を行っています。では、実際にアメリカ人たちはこの運動をどのように捕らえているのでしょうか。
Public Opinion and the Occupy Movement - Interactive Feature - NYTimes.com:
ニューヨークタイムズ紙が11月9日からこの運動に対してどのように考えているかを読者に対して問いかけています。以下はその結果のグラフ。横軸が「この運動の目指すゴールに賛成するか、反対するか」縦軸が「この抵抗のやり方を支持するか、しないか」を現します。
実際にこの運動に強く賛同する右上のマスに非常に多くの票が集まっています。この運動が強い支持を集め、支持者がアクティブに意思を表明していることは間違いありません。しかしその中でもやり方については完全に賛同しきれない層がいるのが見て取れます。
反対に、激しく反発する層も明らかに一定存在しています。彼らの意見を見ると、「反対をしている暇があるなら仕事をして金を貯めればいいではないか」といった「自己責任論」に近い感覚が見て取れます。
だとすれば、そもそも社会のシステムに矛盾や歪みがあると考える賛同層とは、アメリカの現状に対する視点にずれが生じていることになります。人種、民族、宗教などが入り乱れ、家庭、教育、経済状況もばらばらのこの国においてはそうした視点の統一は容易なことではありません。
また、この集計はあくまでニューヨークタイムズの電子版の読者を対象にした調査なので、インターネットに積極的にアクセスしない層、サイレントマジョリティと呼ばれる人々などはそもそも数に入っていないことになります。
現在も継続中のこの運動が今後どれだけの人々を巻き込んでどのように進展していくのか、仕掛け人のカレ・ラースンが目指すジャスミン革命のような動きとなるのか、目が離せません。