【追記あり】京都市長候補が風営法のクラブへの適用について「過剰な取り締まりには断固抗議する」と明言


By Nathan.F

関西では大阪を中心に風営法にもとづいたクラブの取り締まりが激化しています。そうした状況の中、2月5日に投票日を迎える京都の市長候補である中村和雄氏が現在の「一連の規制は過度にいきすぎた取り締まり」であると自らのブログで述べました。


京都では2011年12月に石野卓球もレギュラーパーティを持っていた最大のクラブ「WORLD」が風営法の店舗の客室面積に関する違反で摘発され、休業状態になったばかりです。

市長選挙の争点「若者文化」 - 中村和雄のブログ

中村氏は上記の「市長選挙の争点『若者文化』」というエントリの中で京都の文化発信について語っており、若者の文化の創造と発表の場としてのダンスクラブの必要性について

「ダンスクラブは若者が集い、踊り、作品をみんなで楽しむ場でもあります。こうした活動が幅広く展開されることは、京都の若者文化の発展に極めて望ましいことです。」(一部抜粋)

と述べ、過度な規制をするべきではないと表明しています。

もちろんこの時期の表明は若者への支持拡大を狙った戦略と言うこともできるかもしれません。ただ、中村氏は京都の老舗クラブ「METRO」にて行われたワークショップイベント「NPO環境保護団体GAEA & メトロ大學 共同企画『京都市長選 公開政策討論会 ~市長候補に一問一答!~』」に参加したり、脱原発ソング「human error」で話題となったフライングダッチマンと対談を行うなど、いわゆる「若者文化」に積極的に参加している上での発言です。

中村氏は自身のTwitter上でも

「コンビニだって24時間営業だし、映画だってオールナイトで上映されるのに、ダンスクラブは深夜1時までというのはどう考えても時代遅れですよね。不当な取り締まりは抗議します。時代遅れの法律を変えていきましょうよ」(一部抜粋)

と明確に呼びかけており、政治の側からクラブでの文化発信についてこのような主張がされることは非常に意義があります。

今後こうした動きがどのように波及し、広がってゆくのか非常に興味深いところ。もちろん、クラブ経営者やアーティスト、客側でも考えるべき点、見直すべき点はあるはず。政治任せにせずによりよいものにしていく努力は必須でしょう。

【追記】
1月17日付けで中村和雄氏が本件について、京都市長となった場合どのような対応が可能であるかが本人のブログに掲載されましたので追記します。

ダンスホールの深夜営業をどう守る - 中村和雄のブログ

まず、風営法と市長の権限との関係から法律の内容自体を独自に変更することは不可能であるとのこと。

「深夜1時以降の営業を禁止してるのは、風俗営業法という法律です。国の法律と自治体の条例との関係から、残念ながら、この法律の規制内容を京都市が条例をつくって緩和することはできないのです」(一部抜粋)

ただし、市長として、政治家として世論を形成し、政治に訴えていくことで風営法の改正を目指すことは可能。実際に1988年にはダンススクールがこうした活動の結果、適用除外となっています。

「私が市長になってできることは、皆さんと一緒に法律の改正を求めていくことです」(一部抜粋)

また、現状で市長としてできることとしては、過剰な取り締まりに対する当局への抗議の姿勢を明確に言及しています。

「健全な活動をしているダンスホールに対して、この法律を濫用して過剰な取り締まりをしてきた場合には、市長として、健全な若者文化を守る立場から、取り締まり当局に対して断固抗議します」(一部抜粋)
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