アメリカ合衆国のユナイテッド航空の信じられないニュースが世界中で炎上しています。詳細は以下から。
日本でも知られるアメリカ合衆国のユナイテッド航空がとあるフライトでオーバーブッキングし、4人のアジア系乗客を「ランダムでコンピューターで選出」して退出を促し、従わなかった1人を警察を使って暴力的に排除していたことが報じられています。いったい何が起こったのでしょうか?
事件が起きたのは現地時間4月9日17:40にシカゴのオヘア国際空港を出発し、ケンタッキー州のルイビル国際空港に向かうリパブリック航空がオペレートしたユナイテッド3411便。
ユナイテッド航空はリパブリック航空の乗務員4人を次のフライトをキャンセルさせないためにルイビル国際空港に送らなければなりませんでしたが、そのための座席をオーバーブッキングによって(後に撤回されます)確保できていませんでした。
そのためユナイテッド航空は既に搭乗している乗客らに対して800ドルとホテルなどを準備するという条件で退出する「志願者」を募集。しかし、残念ながらこれに応じる乗客はいませんでした。
そこでユナイテッド航空はコンピューターを用いて「ランダム」に4人の乗客を選出し、退出を促しました。3人まではこの指示に従ったのですが、4人目の乗客はアジア系の医師で、翌日病院で患者を診なければならないためこれを拒否。
するとシカゴ市警を呼び出し、暴力的に通路を引きずりながら排除するという行為にでたのです。この際に男性医師は殴られたり座席の肘掛けに顔をぶつけられるなどして口から血を流す怪我をしていることが複数の乗客らの撮影した動画とツイートなどから確認できます。スタンガンも用いられたという情報もありますが、動画からだけでは詳細は確認できません。以下いずれも、閲覧注意です。
@United overbook #flight3411 and decided to force random passengers off the plane. Here's how they did it: pic.twitter.com/QfefM8X2cW
— Jayse D. Anspach (@JayseDavid) 2017年4月10日
@united @FoxNews @CNN not a good way to treat a Doctor trying to get to work because they overbooked pic.twitter.com/sj9oHk94Ik
— Tyler Bridges (@Tyler_Bridges) 2017年4月9日
@united @FoxNews @CNN not a good way to treat a Doctor trying to get to work because they overbooked pic.twitter.com/sj9oHk94Ik
— Tyler Bridges (@Tyler_Bridges) 2017年4月9日
結局のところ、オーバーブッキング自体がユナイテッド航空側の確認ミスで、この男性医師は3411便に戻されました。こちらはその際の映像。口から血を流しているのが分かります。
#flythefriendlyskies my husband was on that flight. Screw you United!! @united pic.twitter.com/4EcxrMy5jZ
— Kaylyn Davis (@kaylyn_davis) 2017年4月10日
そして本件へのユナイテッド航空のツイッター公式アカウントの説明がこの上なく酷いもので、3万件を超す批判コメントが集中しています。
United CEO response to United Express Flight 3411. pic.twitter.com/rF5gNIvVd0
— United (@united) 2017年4月10日
今回の件は全てのユナイテッド航空の職員にとって心外な出来事でした。4人の乗客に座席の再調節(Re-accommodation)という手間を掛けた事をお詫び致します。当社のチームは迅速に警察当局と連携してより詳細な状況把握に努めている最中です。同時に当社はこの乗客と直接連絡を取り、状況の解明に努めます。
ユナイテッド航空CEO Oscar Munoz
まず謝罪すべきは決して「再搭乗という手間を掛けた事」ではなく、警察を使って暴力的に乗客を引きずり出したこと。オーバーブッキングは完全に航空会社側のミスであり、乗客には一切の落ち度はありません。
つまり、ユナイテッド航空が会社のミスを利用者を暴力的に排除することで解決しようという社会人から見たら絶対にあり得ない方法で処理しようとしたことが問題なわけですが、そこにはただの一言も触れられていません。
また、この4人は「ランダムでコンピューターで選出」したと説明されていますが、ユナイテッド航空側は座席の等級、旅程、メンバーシップのステータス、搭乗時間などから割り出したとされていますが、全員がアジア系だったとも報じられています。
ユナイテッド航空といえばつい先日はレギンス姿の少女らを搭乗拒否したことでニュースとなっていましたが、ツイッターで「ユナイテッド」と検索すると、人種差別的な対応をされたという日本人のつぶやきも多数確認することができます。
米ユナイテッド航空、レギンスの少女たちを搭乗拒否 SNSに非難の声 - BBCニュース
アメリカ合衆国内を飛ぶ国内便であったにも関わらず選ばれたのが本当に全員アジア系だったとすれば、今回もそうした差別的対応の一環だったということでしょうか?既にアメリカ合衆国内を始めとしてこの事件とその後のユナイテッド航空の対応に対して怒りの声が上がり、ボイコットしようという動きも起こっています。
Videos show man being dragged off United flight - ABC News
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