インドの恐ろしいほどの感染爆発の背後には、モディ首相らの「コロナに打ち勝った」宣言による社会全体の気のゆるみがあったことが指摘されています。
実際にどこの国でも十分起こり得る問題で、日本も「他山の石」としなければならない話です。詳細は以下から。
新型コロナの「インド変異株」が感染爆発し、合計感染者数が一気にブラジルを抜き去って世界第2位となったインド。病床どころか酸素すら不足する極めて深刻な状況となっています。
感染力が強く、抗体が効きにくいとされるこの変異株が拡大した原因がモディ首相と所属するインド人民党の「新型コロナに打ち勝った」キャンペーンにあることをアルジャジーラが報じています。
インドではこのキャンペーンでマスク着用やソーシャルディスタンスなどの感染予防意識がゆるんだことが報告されています。
こうして気のゆるんだ時期に行われたのがインド5州での主要選挙。投票は3月27日から1ヶ月以上続き、その間の選挙運動では政党の大規模集会が各地で開催されました。
ですがそこでは特段の感染防止対策が取られなかったことをBBCが報じています。こちらはモディ首相がノーマスクで演説する集会の動画。時折映る支持者らもほぼノーマスクです。
「新型コロナに打ち勝った」宣言はある意味対コロナの成果を誇る選挙キャンペーンとも言えそうですが、完全に逆効果となってしまいました。
これに加え、ヒンドゥー教最大の祭典であるクンブメーラが聖地ハリドワールで開催され、少なくとも数百万人が集まりました。彼らがガンジス河で沐浴している動画を見る限り、マスクはほぼ不着用でぎゅうぎゅうの密になっています。
祭典組織委側は「祭りに人々が殺到したのは、ガンジス河で沐浴すれば神がコロナから守ってくれると信じていたためだ」としていますが、信心深さが仇となった形と言えそうです。
いずれにせよ、これらの気のゆるみの発端に「新型コロナに打ち勝った」キャンペーンがあったことは間違いなさそうです。
そしてこれはインドの話ですが、「コロナ疲れ」「自粛疲れ」が指摘される日本にとっても決して他人事ではありません。
緊急事態宣言が解除され、大規模イベントが開催されるようになれば、今のインドと同じような惨状が今後起こる可能性が高いことになります。
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