Visual by VJ Spike-bloom
以前BUZZAP!ではLSDがアルコール依存症治療に有効であるという研究結果を紹介しましたが、同じ研究者達によって精神衛生全般にとって有効な物質かもしれないという研究が報告されています。
人間の精神に影響を与える薬物の中で、幻覚などを引き起こす幻覚剤の代表格としてフラッシュバックやパラノイアをはじめ、長期間精神に悪影響を与えられるとされてきたLSD。ですが実はこのLSD、精神衛生にとって有益な物質かもしれません。
ノルウェー科学技術大学の研究者Pal-Orjan JohansenさんとTeri Krebsさんは2001年から2004年の間に13万人のドラッグを常用しているアメリカ人に対して試験を実施。この中で幻覚剤を過去に一度でも使用したことがある人は22000人。この研究の中で彼らはLSDがアルコール依存症治療に効果的だという研究結果を報告しましたが、アルコールだけにとどまらず、精神的な健康全般にとって有益かもしれません。
LSDが6割近いアルコール依存症患者の治療に効果的という報告 BUZZAP!(バザップ!)
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研究の中で彼らは
「人生において幻覚剤を使用すること、もしくは過去に使用したことと精神的な問題の発生は関連付けられない。それ以上に、幻覚剤の使用によって精神的な問題の発生率が低くなるケースがいくつも見受けられる」
としています。Krebsさんはさらに
「リスクはどんなものにもある。幻覚剤が一時的な不安や混乱を引き起こすことはあり得るが、深刻な障害を導くことは非常に稀だ。過去50年以上に渡り数千万人が幻覚剤を使用してきたが、長期的な問題を引き起こす証拠はあまり提出されていない」
「また、ドラッグが精神的な問題を引き起こすという説は少数のケーススタディから導き出されており、その場合の患者の多くは既に何らかの精神的な病気を患っていた」
とのこと。このことについて彼らは
「精神的な問題の発生と幻覚剤の使用は共に青春期の後期に起こる可能性が高く、研究者たちはそれらの独立した現象を誤って関連付けてしまっていた」
と述べています。
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ヒッピームーブメントやドラッグカルチャーなどと深く結びついたために長年色眼鏡で見られることになってきたLSD。アルコール依存症治療をはじめとした薬品としての使用価値について、今後偏見を排除した上での慎重な研究が求められます。
(Visuals by VJ Spike-bloom)
'LSD could be good for you' Hallucinogens 'wrongly linked with mental health problems for years' study says Mail Online
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