曽野綾子が人種差別(アパルトヘイト)肯定コラムに「あの記事に間違いはない」と明言、産経も容認



曽野綾子が人種差別とされ、炎上中の産経新聞のコラムに対するウォール・ストリート・ジャーナルの取材に答え、記事の内容に間違いはないと回答しました。詳細は以下から。


先日BUZZAP!でも取り上げた曽野綾子の人種差別(アパルトヘイト)を肯定する産経新聞のコラム。ネット上で大きな批判が巻き起こっていましたが、既に海を超えて海外の主要メディアでも大きな問題として報じられています。

【追記あり】産経新聞、今度は曽野綾子が人種差別(アパルトヘイト)を肯定するトンデモ全開コラムを掲載 | Your News Online

その中でウォール・ストリート・ジャーナルは曽野綾子本人と産経新聞に当該コラムに関して取材を行っています。以下引用します。

Ms. Sono told The Wall Street Journal on Friday that she wouldn’t discuss the column. “If there is an error in the article, I would correct it. I am a human and I make errors. But that piece doesn’t have any errors,” she said.

曽野綾子は金曜日、ウォール・ストリート・ジャーナルの取材に対しこのコラムのことで議論するつもりはないと回答した。「もし記事に誤りがあれば私は訂正します。私も人間ですから間違うこともあります。しかし、あの記事に間違いはありません」



として曽野は一切の訂正も謝罪も行わず、堂々とアパルトヘイトを推進しようとしたことを「間違いない」と明言。また、産経新聞のスポークスマンのKatsunori Murakumoも取材に答え、個人的見解であり誌上に掲載するのは問題無いと人種差別的な内容を容認しています。

Katsunori Murakumo, a Sankei spokesman, said in a statement that the newspaper published Ms. Sono’s column as her personal view. “We think it’s only natural that there are various views on that column,” he said.

産経新聞のスポークスマンであるKatsunori Murakumoは、産経新聞は曽野のコラムを彼女の個人的見解として掲載したとするステートメントの中でこのように述べている。「我々が思うに、あのコラムの中に多様な視点が存在するのはごく自然なことなのではないでしょうか」

Author Causes Row With Remarks on Immigration, Segregation - Japan Real Time - WSJより引用、拙訳



この記事の中では曽野が安倍政権のアドバイザーを務めていたという経歴にも触れており、単なる小説家の発言であるとは考えられていません。また、この記事と前後してタイムズ、ロイター通信も「安倍首相のアドバイザーがアパルトヘイトを推奨」とした記事を掲載しています。

Japan PM aide calls for foreign workers to be segregated The Times

Japan PM ex-adviser praises apartheid in embarrassment for Abe Reuters


しかし海外メディアからの大きな批判をよそに、日本国内のマスコミはハフィントン・ポストを始めとした一部ネットメディアを除き完全に沈黙しているのが現状。

曽野綾子さん「移民を受け入れ、人種で分けて居住させるべき」産経新聞で主張

奇しくも昨日BUZZAP!でも報じた「日本の報道の自由度が過去最悪にまで転落した」ことを裏付けるかのような形になっています。

日本の報道の自由度が過去最悪の61位に、韓国以下への転落は安倍総理の「会食」も影響か | Your News Online

なお、この問題に対してNPOのアフリカ日本協議会が当該コラムの「居住区を分ける」ことの意味と問題点を鋭く指摘し、曽野と産経新聞に対してコラムの撤回と謝罪を求めています。以下引用します。

「アパルトヘイト」は現地の言葉で「隔離」を意味し、人種ごとに居住区を分けることがすべてのアパルトヘイト政策の根幹にありました。また、アパルトヘイトは、特権をもつ一部の集団が、権利を剥奪された他の集団を、必要なぶんだけ労働力として利用しつつ、居住区は別に指定して自分たちの生活空間から排除するという、労働力管理システムでもありました。移民労働者の導入にからめて「居住区を分ける」ことを提案する曽野氏の主張は、アパルトヘイトの労働力管理システムと同じです。国際社会から「人道に対する罪」と強く非難されてきたアパルトヘイトを擁護し、さらにそれを日本でも導入せよとの曽野氏の主張は言語道断であり、強く抗議いたします。このような考え方は国際社会の一員としても恥ずべきものです。

産経新聞 曽野綾子さんのコラムへの抗議文より引用



ウォール・ストリート・ジャーナルへの対応を見るに曽野と産経新聞は謝罪も撤回もしないと回答したようなものですが、果たして曽野綾子と深い関係にあった安倍政権はどのように本件に対して回答するのでしょうか。仮に菅義偉官房長官がいつものように「問題ない」と発言した場合、日本が世界中からこれまでないほどに危険視されることは間違いありません。

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