「大阪都構想」をdisった総統閣下シリーズ動画の続編「総統閣下が都構想の投票権がなくてお怒りのようです」がさらにキレッキレであると絶賛

先日BUZZAP!で紹介し、現在週刊人気記事ランキングトップとなっている動画「総統閣下が都構想の失敗でお怒りのようです」に早速続編が登場。先週末の大阪の動静を盛り込み、さらにそのキレを増していると絶賛されています。

映画「ヒトラー～最期の12日間～」のクライマックスに嘘字幕を当てたパロディ動画「総統閣下シリーズ」の「大阪都構想」をdisった上記作品についてはまず前記事をご参照ください。

「大阪都構想」をコテンパンにdisった動画「総統閣下が都構想の失敗でお怒りのようです」が大爆笑のシリーズ最高傑作と話題に | Your News Online

こちらの動画を紹介したBUZZAP!記事は1400RT、2700シェアを稼ぎ出し現在週刊人気記事ランキングのトップとなるほど多くの反響を得ています。それはもちろんこの動画の面白さと的確さにも寄りますが、それだけ「大阪都構想」を巡る攻防に国民の関心が集まっていることの現れでもあります。

この動画が公開された5月1日から10日後の11日に続編となる「総統閣下が都構想の投票権がなくてお怒りのようです」が公開されていますが、その間に大阪では自民党と共産党が合同で都構想反対の演説を行い、民主党らもそれに同調する動きを見せるなど状況は大きく展開。

オール沖縄に倣った「オール大阪」の掛け声のもと維新の会以外の会派が都構想反対のワン・イシューで大同団結するというこの上なくドラマチックな展開となっています。続編はそうした最新の状況を盛り込んだ上にツッコミのキレもさらに増しています。

総統閣下が都構想の投票権がなくてお怒りのようです - YouTube

なお、動画の題名に関連して説明すると、大阪では知っている人も多いのですが橋下市長は大阪市ではなく豊中市在住。そのため今回の住民投票には投票権がありません。

豊中市選出の大阪維新の会所属、うるま譲司府議は「大阪都構想で一番得をするのは豊中市民です」と明言していることを考えると、ここまで大阪市を解体する「大阪都構想」に橋下市長が熱心なのは「一番得をする豊中市民」だからということも理由のひとつなのかもしれません。

「大阪都構想で一番得をするのは豊中市民です」という豊中選出の維新議員。大阪市民は、損をします。 pic.twitter.com/csYwDEtjwa
— 「維新」の問題点 (@change_osaka) 2015, 5月 12

なお、先週末からの動きを多少補足すると、5月10日には自民党と共産党に民主党まで加わった、オール大阪という前代未聞の布陣での合同街頭演説が行われています。

自民党と共産党が「反都構想」で合同街頭演説。橋下氏はまた「自民党から共産党までが寄ってたかって潰そうとしている！」と気色ばむでしょう。しかしそれだけ維新政治がひどいという事であり、大阪市の廃止は取り返しがつかない事なのです。 pic.twitter.com/dvKTiYGXBC
— たつみコータロー参議院議員日本共産党 (@kotarotatsumi) 2015, 5月 8

難波に続き梅田でも、自民党・共産党・民主党の国会議員が合同で「都構想」反対の街頭演説会が行われました。 - 2015.5.10 （大阪市・梅田ヨドバシカメラ前） pic.twitter.com/CkloGQbQMR
— 秋山理央 (@RIO_AKIYAMA) 2015, 5月 10

これに対して橋下市長と維新の会は政党助成金4億円を注ぎ込んだと言われる以下の様なCMを作成し放送。Tシャツのデザインへの是非は置いておくとしても、これまで通りの主張を一見爽やかな演出で繰り返すものでしかなく、税金の無駄遣いとの批判も少なくありません。

※以下リンク先はニコニコ動画のため、激しいツッコミの十字砲火で画面が非常に見にくくなっております。必要に応じて「コメントを表示しない」を選択の上ご視聴ください。

大阪都構想のCM　フルバージョン - ニコニコ動画 GINZA

また、週末にはこれと併せて政党助成金2500万円を投入したとも言われる橋下市長肉声の録音テープによる無差別攻撃が大阪市を中心とした家庭や会社固定電話に対して行われ、大ブーイングとなっていたことはBUZZAP!でもお伝えした通り。こちらも2100RT、1100シェアと大きな反響を呼んでいます。

「大阪都構想」への賛成投票を促す橋下市長の「肉声録音テープ」での無差別電話攻撃が大阪市民から大ブーイング | Your News Online

また、橋下市長は安倍首相からの応援を後ろ盾と考えているようですが、自民党幹部からも異論が続出しています。

京都選出である谷垣幹事長の

関西のいろんな問題の時に、大阪が先頭に立ってくれないと、いろんなことが進んでいかないことがあると思う。大阪市がなくなることは「どういうことなんだろうな」と感じる。自民党本部は、今まで「地域のことは地域で決めることだ」と申し上げてきた。

同志が必死の戦いをしているのに「党本部は知らん」と言ってていいのか。同志に大きなシンパシーを持っているということは、申し上げたい。

（大阪都構想、自民党本部と府連の違い谷垣幹事長が言及：朝日新聞デジタルより引用）

との発言を石破地方創生相は

大阪での勢力回復は、党の責任ある立場としてやっていかなければならない。谷垣幹事長の発言は、大阪府連が苦しい立場にあり、一つひとつの議席回復で協調関係を大事にする幹事長として当然だ。自分が幹事長であってもそう思う

（石破氏「谷垣幹事長の発言は当然」大阪都構想めぐり：朝日新聞デジタルより引用）

として擁護。さらに二階総務会長が

都構想に賛成するとか、協力する気持ちは毛頭ない。私は都構想に反対の署名をしている。

大阪都構想、官邸VS.自民：朝日新聞デジタル

と明確に反対を宣言しており、安倍首相や菅官房長官ら官邸と姿勢を大きく異にしていることが浮き彫りとなっています。

ただし、新聞各社の世論調査ではいずれも反対派が賛成派を上回るものの、前回調査よりも賛否の差は縮小してきており予断を許さない状況が続いています。

【大阪都構想】反対47.8％、賛成39.5％を上回るも、賛否差は前回より縮小本紙世論調査 - 産経WEST

大阪都構想新設全区で反対多数自民支持層は反対減 - 毎日新聞

この状況に維新の党は1000人規模での運動員を投入して最後の巻き返しを計ることを決定。「大阪都構想」の行方はさらに混沌としてきています。そうした中で、橋下市長が最後の一発逆転の奥の手として準備していると目されているのがいわゆる「自虐演説」。

去年の衆議院解散総選挙の際に行ったような「敗北宣言演説」をするのではないかという予測が流れているのは既に前記事でも紹介した通り。

大阪都構想の投票までに言うべきことは言わないといけません - 黒猫翁の言いたい砲弾

これに加えて自民党所属の太田昌也大阪市議はFacebook上で「維新の会『橋下』代表が夕方のTVニュースに間に合うように、涙を流して泣くそうです」との噂があることを曝露しています。

太田晶也 - 16日土曜日、維新の会『橋下』代表が夕方のTVニュースに間に合うように、涙を流して泣くそうです。...

政治家の涙と言えば、日本中どころか世界中で話題になった野々村竜太郎兵庫県会議員の「号泣会見」を誰もが思い出すはず。

兵庫県議が不明瞭支出で号泣釈明会見＃06(14/07/02) - YouTube

このインパクトを超えることができなければ、日本一お笑いに対して厳粛な審美眼を持つ大阪人の心を揺さぶり、浪花節マインドを呼び起こすことはまず不可能。

二番煎じとなる「フライング敗北宣言」にせよ、号泣県議超えをしなければならない「号泣会見」にせよ、既にネタバレしていることも含めてハードルは高いため、橋下市長がどういった形で最後の一手を打ってくるのか、もしくは全く新しい手を披露することになるのか、大阪市民ならずとも投票日まで目が離せなそうです。