19歳の考案した「世界の海から725万トンのプラスチックを除去できる装置」が日本海の対馬沖に2016年に世界で初めて設置へ



一昨年BUZZAP!で掲載した世界の海のゴミを画期的な新発送で除去する発明品が実際にローンチされることとなり、その世界初の設置箇所が日本海の対馬沖に決定しました。詳細は以下から。


BUZZAP!に2013年3月に掲載し、Facebookで1万シェアを超える話題となった記事が当時19歳だったBoyan Slatさんが考案した、725万トンもの海のゴミを除去できる装置。

19歳の少年が考案した、世界の海から725万トンのプラスチックを除去できる装置「Ocean Cleanup Array」 | Your News Online

ゴミを追いかけて拾うのではなく、海流に乗って流れるゴミを巨大なアームを広げて待ち受けるというコロンブスの卵の発想は、オランダのデルフト工科大学の2012年のベストテクニカルデザイン賞を始めとする多くの賞に輝きました。



この装置を用いれば、多くの海洋生物の命を救ったりPCBやDDTといった汚染物質が生態系に入り込むのを防ぐことになるだけでなく、ビーチの清掃費用やごみ問題に起因する観光ビジネスへの損失、船舶への損害など、多くのコストを削減することにもなります。



現在Slatさんは20歳となり、当時の計画通りNPOのThe Ocean Cleanupを設立、創始者件CEOとしてこのプロジェクトを指揮しています。

Slatさんは5月24日に韓国で開催されたアジア最大のテクノロジー系カンファレンス、ソウルデジタルフォーラムにおいて、2016年の前半に日本海の対馬沖にこの装置を世界で初めて設置することを明らかにしました。対馬では漂着するプラスチックゴミが人口1人当たり1立方メートルにも及んでおり、自治体では解決策を模索中でした。


この装置は全長が2kmとなり、東京メガフロートの1kmを大きく超えて世界最長の浮遊建築物となる予定。装置は最低でも2年間運用され、プラスチックゴミが海岸に漂着する前に捉えます。


The Ocean Cleanupは今後さらに規模を大きくした装置の配備を行ってゆき、5年以内にハワイ州からカリフォルニア州に至る東太平洋をカバーする全長100kmの装置の配備を実現する予定であるとのこと。


10年後には世界のビーチに流れ着くプラスチックゴミは劇的に減ることになるかもしれません。

WORLD’S FIRST OCEAN CLEANING SYSTEM TO BE DEPLOYED IN 2016 The Ocean Cleanup, developing technologies to extract, prevent and intercept plastic pollution

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