新国立競技場を巡るドタバタが止まりません。そんな中でコストも確認しないままに現在のデザインが決定されていたことが指摘されました。
7月7日に開かれた日本スポーツ振興センター(JSC)の有識者会議で、多くの批判や見直しを求める声を振り切る形で2520億円の現行案が決定されたことは既にBUZZAP!でもお伝えしましたが、その後国会でもこの問題は大紛糾。
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「(当初の総工費の)1300億円がどの程度、デザインをする人たちに伝わっていたのか。値段とデザインを別々にしていたとしたら、ずさんだと思う」と、デザイン選考について検証することを下村文科相が表明する事態となりました。
新国立競技場、デザイン選考過程を検証 文科相:日本経済新聞
また、下村文科相は有識者会議を欠席し、沈黙を続けるデザインコンペ審査委員長の建築家、安藤忠雄氏に説明責任があるとして発言を求めており、責任を押し付け合うババ抜きのような状態も発生しています。
一方安倍首相は国会で、新国立競技場のデザイン変更は「これから国際コンペをし、新たにデザインを決めるのは五輪に間に合わない可能性が高い」として難色を示す一方、あまりに膨大に膨らんだ総工費に関して「あまりにも費用がかかる。(デザインを)変えることが可能か検討しているが、工期が可能かどうかもある」と、見直しを示唆する言葉も飛び出すなど、見切り発車はしたものの方針は大混乱をきたしています。
そうした中でNHKが報じたところによると、デザイン決定の最初の審査の段階で、技術的に建設が可能かというチェックはされたものの、設定された1300億円というコストに収まるかどうかの確認が事実上行われなかったという驚きの可能性が示されています。
新国立競技場 コスト確認せず決定か NHKニュース
それによると1回目の審査委員会のあとに委員会メンバーとはことなる専門家らによる技術的に建設が可能かをチェックする「技術調査」が行われましたが、設定コストに収まるかのチェックはされていなかったとのこと。
しかもその後の審査委員会で委員たちは「技術調査」でコストのチェックも済んでいたものと思い、確認が取れている前提で現在のザハ案を選んでしまったという、新入社員のイロハどころかガキの使い以前の状況だった可能性が濃厚になってきています。
安藤忠雄氏がこのコストの状況を分かって選んでいたとしても知らないまま選んでいたとしても大問題ですが、この決定を覆すこともできず、修正案すら顧みることのできない現状は呆れるばかり。
森元首相や安倍首相、安藤忠雄氏らの見栄や面子のために変更ができないとの報道も流れていますが、責任のなすりつけ合いも含めてあまりにも旧態依然とした日本の体質がむき出しになっており、悪い方の「日本らしさ」を海外にアピールすることになっているとも言えそうです。
いったい誰が勇気を出してブレーキを踏むのでしょうか。それとも踏めずにこのままオリンピックまで大混乱のまま突き進むことになってしまうのでしょうか?
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