三菱マテリアルが戦時中に強制連行した中国人元労働者らに「謝罪と賠償」の意向、政府の対応にも影響か



先日元米兵捕虜に謝罪したことが報じられた三菱マテリアルが戦時中に強制連行した中国人元労働者らに対して謝罪と賠償を行うことが明らかになりました。日本政府の対応にも影響を及ぼす可能性があります。詳細は以下から。


第二次世界大戦中の中国人強制連行を巡り、中国人元労働者らが三菱マテリアル(旧三菱鉱業)などに損害賠償を求めている問題で、三菱マテリアル側が「使用者としての歴史的責任」を認めて「謝罪」を表明し、被害者1人あたり10万元(約200万円)を基金方式で支払うことが明らかになりました。対象者は3765人となり、日本企業による戦後補償としては過去最多の規模となります。

三菱マテリアルは7月19日にも元米兵捕虜を強制労働させたことに対してロサンゼルスで元捕虜らと面会し、謝罪の言葉を伝えています。三菱マテリアルの前身である三菱鉱業が捕虜約900人を日本国内4カ所の鉱山に受け入れ、過酷な労働を強いたとし、面会した三菱マテリアルの木村光常務執行役員は「事業を継承する会社として道義的な責任を感じている」と謝罪の決断について説明しています。

元米兵捕虜に謝罪 三菱マテリアル、強制労働で :日本経済新聞

日本政府は、1972年の日中共同声明で中国との間の戦争賠償問題は「解決済み」との立場で、日本の最高裁が賠償請求を認めなかった中国人被害者に対して日本企業側がこのように自主的な謝罪と賠償に踏み切るのは初めてのこと。」

三菱マテリアルは日本に強制連行され、強制労働させられた中国人労働者3万9000人の打ち3765人を三菱マテリアルの前身である三菱鉱業とその下請け会社の事業所に受け入れて強制労働させたことを「人権が侵害された歴史的事実」であると認めました。

さらに被害者と遺族に対して「痛切な反省」と「深甚なる謝罪」を表明、1人あたり10万元の謝罪金の支払いに加えて記念碑建立費1億円、行方不明の被害者らの調査費2億円を支払うとしており、支払総額は最大で80億円規模となる模様。

双方は近く北京で和解合意書に調印する準備を進めており、この和解合意によってこの問題に包括的かつ終局的な解決となるとされています。三菱マテリアルが今回こうした和解を受け入れた背景には歴史問題を中国国民に支持される形で解決し、ビジネス環境を整えたいとの経営判断があるとみられています。

戦後70年に出されるとされる安倍談話に「反省」と「謝罪」が盛り込まれるかについては現時点でも確定しておらず、米国務省のラッセル国務次官補からは21日に「過去の首相のように、第2次世界大戦について日本政府や国民が感じ、実践してきた反省の気持ちが盛り込まれることを期待している」との注文が付けられたばかり。

このタイミングでの三菱マテリアルによる立て続けの「謝罪」と「賠償」の表明は政府の立場にも少なからず影響を及ぼすことになりそうです。

強制連行訴訟「三菱マテリアルが謝罪の意向」 中国側:朝日新聞デジタル

中国人強制連行和解へ 三菱マテリアル、3700人に謝罪金 一面 中日新聞(CHUNICHI Web)


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