【追記】世田谷区が「同性カップル」証明の公的書類を発行へ、渋谷区との違いは?



渋谷区に続き、同性パートナー制度が世田谷区にも誕生することになりそうです。渋谷区の制度とは相違点も少なからずあり、今後の同性パートナー制度の広がりにも影響を与えそうです。詳細は以下から。


世田谷区は7月29日同性カップルの宣誓を認める公的書類を発行すると定めた要綱案を区議会に報告しました。この要綱案には具体的な効力は明記されていませんが、賃貸住宅の入居や病院の面会などでの不利益を解消し、差別や偏見をなくすことが期待されています。

東京新聞 同性カップル 世田谷も「公認」 区が公的書類発行へ 政治(TOKYO Web)

要綱案では同性カップルが世田谷区にパートナーであることを宣誓、区が押印した宣誓書の写しと受領証書が交付されます。交付条件は双方が20歳以上で世田谷区在住か、一方が在住でもう一方が転入を予定していること。区は10年間宣誓書を保管します。

渋谷区の場合は互いが後見人となる契約を結ぶ必要があり、公証役場での手続きや万単位の費用が発生します。その点世田谷区の場合はカップルがパートナーであることを先制するだけで手軽に交付を受けられます。

ただし渋谷区では法的拘束力はないものの、事業者に証明書を発行された事業者に公平で適切な対応を求めており、差別的対応には事業者名公表も行う規定が盛り込まれています。世田谷区では事業者らに対する規定などはなく、あくまで証明するのみということに。

また、渋谷区の場合は条例で、成立には議会での議決が必須でしたが、世田谷区は自治体の事務の目的や手順を示した「要綱」であり、世田谷区町の権限で策定できます。

お隣りの区でありながらこうして見ると成立過程や方向性に少なからぬ違いがあることが分かります。どちらがより当事者の実情に即したものとなっているのか、またはさらに模索すべき道があるのか、今後の動きが注目されます。

なお、事業者の対応に関しては、携帯電話の各キャリアが同性カップル向けに家族割の適用を既に始めているなど、制度に先んじたアクションが起こされており、むしろ事業者側が積極的にサポートしていく可能性もありそうです。

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【追記】
自身も性同一性障害を公表している上川あや世田谷区議会議員が「世田谷区パートナーシップの宣誓の取扱いに関する要綱」をツイッター上で公開していますので追記します。本件について関心のある方は上川議員の発言を追って見ることをおすすめします。




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