いじめに関して文科省が大きな方針転換を行い、賞賛の声が上がっています。詳細は以下から。
◆文部科学省
「わが校にはいじめはない!」などという自画自賛がもてはやされた時代にようやく終止符が打たれることになりそうです。
岩手県矢巾町で中学生がいじめを苦にして自殺したとみられる問題において、教職員はそれをいじめではなく「人間関係のトラブルやからかい」として、教育委員会に「いじめゼロ」と報告していました。文部科学省はこうした認知されないままになっているいじめが他にもあると見て、6月に既に回答を得ていた「いじめの認知件数」の調査をやり直すよう求める異例の通知を出しました。
全開の調査では児童生徒1000人当たりのいじめの認知件数が都道府県によって最大83倍の差が生じていることに触れて「実態を正確に反映しているとは考えがたい」と厳しく指摘。
いじめの認知件数の多い学校は「いじめが多い」のではなく「いじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいる」として、極めて肯定的に評価するとしています。また、初期段階のいじめや短期間のうちに解消したいじめも計上するように求める他、「いじめゼロ」の報告を行った学校にはその事実を児童生徒や保護者に公表して検証してもらうことで認知漏れを防ぐという、鉄壁とも言える調査を行う構えです。
文科省 いじめ調査 異例のやり直し通知 NHKニュース
◆大阪市教育委員会
また、同日25日のニュースとして大阪市教育委員会は教育委員会議を開催し、「いじめを受けた子どもの救済と尊厳」を最優先するとした基本方針を明記。
深刻ないじめにおいては加害児童・生徒を出席停止とし、校外の「個別指導教室」で指導すると定め、被害者側の意向によっては加害児童・生徒に転校を打診するという、加害者に厳しい姿勢を打ち出しています。
また、教職員に関しても、いじめ情報を故意に隠蔽した教職員を懲戒処分の対象にするとし、教職員からの積極的な報告を求めることとしています。
大阪市教委:いじめ加害者に転校打診 基本方針策定 - 毎日新聞
文部科学省と大阪市教育委員会が同日にいじめを積極的に認知していく姿勢を打ち出したことは非常に画期的。ネット上でもいじめの認知を積極的に進めるこの方針には高い評価が目立ちます。
県でこんなに違う。
いじめの認知件数が多いのは,摘発に本腰を入れていることの証よ。 pic.twitter.com/sG8EI1HJUh
— 舞田敏彦 (@tmaita77) 2015, 8月 26
飯したくしながら耳に挟んだニュースで、文科省がいじめの調査に関して「いじめはあるのが普通」って認識に立つことにしたとやってた。つまり、いじめ報告件数が多いほどいじめの把握が進んでいると↑評価、いじめ0報告はより詳細な説明を求める、つまり「追試」扱いとするそーな。180度の転回だ。
— 電気屋 (@thedenkiya) 2015, 8月 25
「認知件数が多い学校はいじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいるとみて極めて肯定的に評価するとしています」本当にこの方針でいくのなら、やっとまともに仕事を始めたと認めよう。 / “文科省 いじめ調査 異例のやり直し通知 N…” http://t.co/fh48YTWP1v
— 地下猫 (@tikani_nemuru_M) 2015, 8月 25
いじめ件数の多い都道府県は、いじめを見つけるのに真剣にやってる都道府県ってことも。表層的な数字だけでなくその裏を考えるようにしないとね。
— 小迎ちゃんパパ 18歳 (@nakamukae) 2015, 8月 26
これはマジで英断だと思う。文科省いい仕事したなー。 RT 文科省 いじめ調査 異例のやり直し通知 NHKニュース http://t.co/t0qTHTprFK pic.twitter.com/ivis39Tvu6
— たられば (@tarareba722) 2015, 8月 26
「いじめがあると表明するのはわが校の恥」のような文化ではなく、しっかり認知して対策を取っていることが評価されるという考え方が広まれば、いじめにひとりで悩み苦しんだ挙句に死を選んでしまう子供を少しでも減らすことには繋がるはず。
こうした決定は積極的に評価し、後押ししていきたいところです。
(Photo by Twentyfour Students)
PHP研究所 (2013-02-05)
売り上げランキング: 168,000
・関連記事
いじめの加害者は健やかに成長し、心疾患やメタボにもなりにくいことが明らかに | Your News Online
舌禍が止まらない、自民党議員が相次いで学生時代の「いじめ」エピソードを披露して大炎上に | Your News Online
「与えあうこと」は何をもたらすのか、1分間の動画が教える「利他心」の秘める大きな可能性 | Your News Online
悲しみにくれるゲイの少年、ヒラリー・クリントンが掛けた言葉に世界が揺さぶられる | Your News Online
10年前のドラマ「女王の教室」での指摘、現在の日本の姿と完全に一致していることが明らかに | Your News Online