2014年の衆院選直後に自衛隊の統合幕僚長が米軍に対して「安保法制の整備は夏までには終了」などと説明していたことが分かりました。詳細は以下から。
9月2日の参院平和安全法制特別委員会で共産党の仁比聡平議員の質問で、昨年12月に行われた衆院選での自民党勝利の直後に自衛隊の河野克俊統合幕僚長が訪米し、オディエルノ米陸軍参謀総長から安全保障法制整備の見通しを問われて「与党の勝利により安保法制の整備は夏までには終了する」と説明していたことが、独自に入手した報告書により発覚しました。
安倍首相が4月下旬の米議会の演説で現在審議の紛糾している「戦争法案」を夏までに成立させる方針を明言しましたが、それよりも4ヶ月前の時点で自衛隊の制服組トップが米軍との直接のやりとりで法案成立についての説明を行っていたことになります。
中谷防衛相は「資料がいかなるものか承知しておらず、コメントできない」としましたが、このやりとりを把握していないのであれば明確にシビリアン・コントロール(文民統制)が崩壊して自衛隊が独断専行で米軍と話を進めていたという異常事態となります。
仮に把握していたとすれば、法案提出のはるか以前に日本の安全保障に関わる重要な法整備に関して自衛隊と米軍で既に話を始めているのを認めていたこととなり、先に追求された自衛隊の内部文書とはわけが違います。
今日の参院特別委で仁比そうへい議員が暴露した河野統幕長の昨年12月訪米会談記録。「安保法制は与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている」と、米軍指揮下での自衛隊の暴走を裏付けるもの。 pic.twitter.com/ad0tMenwdF
— 小池晃 (@koike_akira) 2015, 9月 2
実際の国会での質問の様子は以下から。当該資料での質問は26分過ぎからとなります。
空前絶後のスキャンダルと言っても過言ではないこの報告書、今後の「戦争法案」の審議に多大な影響を及ぼすことは間違いありません。
時事ドットコム:統幕長「夏までに法整備終了」=昨年末の訪米時に説明-共産追及
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