与党・国民「消費税還付上限4000円とかふざけんな!」→財務省「じゃあ上限5000円にしよう!」



2017年の消費税10%への増税に伴い、マイナンバーを使った還付を行う案を出した財務省。与党や国民からの反発に「上限を5000円にする」という懐柔案を提示したことが報じられました。大炎上は間違い無さそうです。


先日BUZZAP!でも詳しく紹介し、大きな反響を得ている消費税の軽減税率に関する財務省案。国民はもちろん公明党を中心に与党からも反発の声が上がっていることを受けて財務省が懐柔案を提出してきました。

「消費税増税時の軽減税率にマイナンバー活用で上限4000円」の財務省案が最悪にひどいと悲鳴と批判が続出 | Your News Online

しかし、その懐柔案というのが単に「上限を4000円から5000円に上げる」というもの。完全に国民をナメきっているとしか言いようのないこの案は、まさに大火事にガソリンを投入するようなもの。財務省案への反発が野火のように広がることは間違いなさそうです。

そもそも財務省案には非常に問題が多く、上限を多少いじったからといって飲めるような代物では到底ありません。上記記事でも問題点を細かく指摘しましたが、再度箇条書きにして洗い出してみます。

◆マイナンバー関連
●マイナンバーカードが広く普及することが前提
・絶対に盗難・紛失にあってはいけないカードを子供もお年寄りも毎日持ち歩くことに
・麻生財務相「カードを持ちたくないなら持たなくてもよく、その代わり減税はない」
・購買履歴が全部国が管理するデータに入れられてしまう
・家族の買物をする際、フルに還付を受けるためには複数カードを使うことに

◆端末関連
●食料品を取り扱う各店舗にネット接続の端末を設置する必要がある
・端末設置に金銭的負担が生じる(商店もしくは税金投入)
・お年寄りが個人で営む個人商店などで導入・管理できるのか

◆システム関連
●初期費用3000億円をかけて「軽減ポイント蓄積センター」(仮称)を設立
・2017年4月までにシステムを構築し、導入する必要
・運用やメンテナンスにもランニングコストがかかる
・そもそもこの案、その天下り先を作るためなのではないか
・「漏れた年金」問題のような情報漏洩の危険

◆金額関連
●1年で4000円が上限
・1食当たり183円分までしか還付されない


と、リストの半分まで読み進めるまでもなく即時撤回しなければならないお粗末さです。特にセキュリティ問題に関しては、「漏れた年金」に比べてマイナンバーに紐付けられている情報量は遥かに多く、機微な個人情報を伴っており、番号が一生変更できないことなどからも毎日の買い物に持ち歩いて提示するような運用はあり得ません。

たかだか還付額の上限を1000円上げただけでこの欠陥に目をつむってくれると考えているのであれば、いくら何でも財務省は国民をナメすぎであると断ずる以外ありません。

給付「上限5000円」懐柔案…与党反発で修正 政治 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

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