駐日デンマーク大使館の公式アカウントのデンマークについてのツイートに注目が集まっています。詳細は以下から。
駐日各国大使館が日本語でツイッターの公式アカウントを持ち、自国の情報などをツイートしているのは既によく知られた光景となっています。そんな中で今大きな注目を浴びているのがOECD調査に基づき2015年の世界で最も幸福な国に選ばれたデンマークの駐日大使館のアカウントです。
これは最低賃金について。時給2000円が下限というのは驚きです。ちなみにデンマークの首都コペンハーゲンの物価は2014年調査で東京とほぼ同程度。
デンマークでは、最低賃金が時給110クローネ=約2,000円に定められています。
デンマークで仕事を探したいですか?こちらで探せます!
https://t.co/76Hfm0NvyR pic.twitter.com/7DcniyI3rH
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 26
労働に関する内容だとこんな感じ。5週間の有給休暇をほぼすべての人が100%消化。残業もほぼなく、残業した時は代休取得やフレックスタイムで処理も可能。
デンマークでは、年5週間の有給休暇が認められています。実際には6週間以上取得できる職場も多いようです。全ての人が有給休暇をほぼ100%消化します。 pic.twitter.com/s622spEjiX
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 20
【お詫びと訂正】昨日の残業についての投稿に誤りがありました。月に12時間の残業をした場合、35%増しで16時間12分の代休を取得できます。つまり約2日間の代休を取得するか、その分の残業代をキャッシュで受け取るかを選択できます。失礼いたしました。
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 21
デンマークの職場では、残業の規定がないところもあります。そもそも残業がほとんどない上、日々の業務量に応じてフレックスタイムで処理する(遅くまで働いた場合は翌日は早く帰宅して調整するなど)ことが多いためです。職種毎組合の力によって、初任給からある程度の高給であることも背景にあります
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 22
こちらは教育に関するもの。大学院まで学費無料、全ての学生に月額8万円程度支給(貸与ではない)など、卒業と同時に数百万円の学資ローンの借金を抱えるハメになる日本とは真逆と言える教育政策です。
デンマークでは大学院まで教育は全て無料です。その上政府が学生の生活費分まで給付をしてくれます。経済的な余裕がない学生でも教育を受ける権利を奪われることがないように配慮されています。
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 22
デンマークでは全ての学生に月額8万円程度(条件により異なる)の給付金が支給されます(貸与ではなく支給されるので返済不要)。大学や大学院の授業料も無料ですので、基本的には個人の経済力に関わらず勉学の意思があれば大学院まで修了できます。小さなアパートを買って住む大学生も多いようです。
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 23
政治参加については18歳で選挙権、被選挙権を得ることができ、30代の大臣も珍しくないとのこと。
デンマークでは18歳から選挙権と被選挙権の両方が持てます。10代で国会議員になる人も実際にいます。ご存知でしたか?
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 10月 23
デンマークの内閣には30代の大臣が5人います。最も若いのがロウリッツェン税務大臣31歳(左)、次がレーデ保健大臣32歳(右)です。年齢に関わらずその人の持つ能力で評価されるのがデンマークの特徴だと言えます。 pic.twitter.com/0xOgJFwXlq
— 駐日デンマーク大使館 (@DanishEmbTokyo) 2015, 9月 25
こちらはFacebookの投稿から。消費税は軽減税率なしの25%、法人税がそれを下回る23.5%(来年からは22%)と一見新自由主義的な傾向が強いですが、社会保障の充実や失業保険、再就職支援などによる後ろ支えががっちりと存在しており、世界でも最も格差と貧困の少ない国として知られています。
【ビジネスが最もしやすい国・デンマーク】
Posted by デンマーク大使館 on 2015年10月14日
米国の経済誌フォーブスによると、世界で最もビジネスがしやすい国はデンマークです。
デンマークの法人税は23.5%です。来年からは22%に下がります。
(日本は32.11%、来年からは31.33%)...
歴史も規模も違う国を同列に論じることはできないという意見はごもっともですが、地下資源や広大な国土を持たず、人を資源として活用していくしかない日本においても参考にできる面は少なくないはず。
日本人がこうした社会システムの意識にすぐに馴染めるとも思えませんが、それでもシステム側から少しでも国民が幸福に、格差や貧困にあえぐことなく、健康で文化的な最低限度の生活を送れるようにしていかなければならないのではないでしょうか。
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