トランプ米大統領候補、イスラム教徒入国禁止要求批判に「今は戦争状態で他に選択肢はない」→支持トップ変わらず



アメリカ合衆国、共和党の大統領筆頭候補のドナルド・トランプによる排外主義発言の暴走が止まりません。詳細は以下から。


パリ同時多発テロ後に発生したカリフォルニア州での14人が犠牲となった銃乱射事件。その犯人がイスラム過激派組織の思想に感化されたイスラム教徒の夫婦であったことからトランプ候補は移民だけでなく留学生や観光客も含む全てのイスラム教徒のアメリカ合衆国の入国の完全禁止を提案。

ジハードのみを信じて、理性を失い、人間の生命を尊重しないような人々による残虐な攻撃に対して、米国を犠牲にすることはできない



などと強調しています。もちろんトランプ候補が指摘する対象はISを始めとしたイスラム過激派組織であり、イスラム教徒と同一視することは全くナンセンスな排外主義でしかありません。

オバマ大統領はテロとの戦いをこれをアメリカとイスラム社会との戦いにしてはならないと強調している他、同じ共和党の大統領候補であるジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事は「トランプ氏は錯乱状態。彼の『政策』提案は真面目なものではない」と厳しく批判、共和党のポール・ライアン下院議長も「共和党が賛同するものではない。さらに大事なのは米国が賛同するものではないということだ」としてトランプ候補の排外発言を共和党と同一視させまいと必死です。

こうして、味方である共和党からもハシゴを外された形となったトランプ候補ですが、この発言への批判に対して「私がやろうとしていることは、ルーズベルト元大統領が取った解決策と何ら違わない」と反論。

ルーズベルト元大統領は第二次世界大戦時に日系人や日本人移民らを「敵性市民」として強制収容、財産の多くを失った上に極めて差別的な待遇に置かれました。

トランプ候補はそんなルーズベルト元大統領を引き合いに出し「ルーズベルト氏は最も尊敬されている大統領の1人だ」と賞賛した挙句に「私たちは今、戦争状態にある。他に選択肢はない」とまで強調。強制収容事態は称賛しないと述べてはいるものの、イスラム教徒への入国禁止に加えて権利制限までをも仄めかす異常事態となっています。

これはまさにイスラム教徒をアメリカ合衆国から分断、孤立させ、彼らへの迫害や差別を煽ることによってイスラム過激派思想へ囲い込もうとするISらの思惑に完全に一致するもの。テロとの戦いを標榜しながらテロリストの目論見に強力に加担するという本末転倒を引き起こしています。

そして、恐るべきことに民主党、共和党双方からの激しい批判の十字砲火にも関わらず、トランプ候補は現在も共和党の大統領候補の中で指名争いの首位を独走しています。少なからぬ共和党支持者がトランプ候補のイスラム教徒へのヘイトスピーチと言わざるをえない暴言と提案に賛同の意を示しているということ。極めて危険な状態と言えるでしょう。

時事ドットコム:「第2次大戦中と同じ」=日本人権利制限を例に反論-トランプ氏

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