全国初となる大阪市のヘイトスピーチ抑止条例が本会議で可決されました。詳細は以下から。
本日、大阪市議会本会議において自民党を除く各会派の賛成多数によってヘイトスピーチを抑止するための条例案が可決され、成立しました。
この条例ではヘイトスピーチを抑止するため、市の審査会がヘイトスピーチと判断した場合、行った個人や団体の名前を公表することとされています。ただし、本日まとめられた修正案では、当初存在していた「市内に住む被害者への訴訟費用の貸与」は削除されています。
ヘイトスピーチの定義についても条例案で「不特定多数の者が知りうる場所や状態で、人種や民族に係る特定の属性を有する個人や集団を社会から排除したり、権利や自由を制限したり、憎悪や差別の意識や暴力を扇動する目的で、侮蔑や誹謗中傷したり、脅威を感じさせること」などと明確に定義。
つまり新たに定められた条例は、各所で問題となっている(リンク先動画、閲覧注意)特定の人種や民族などを指して「殺せ」と訴えるような憎悪・差別的表現を禁じるものです。
また、ヘイトスピーチには、デモや街宣活動だけでなく、画像や映像も含まれている他、そうした活動の記録を販売、上映、インターネット上にアップするといった「拡散行為」も含まれていると規定。
大阪市はヘイトスピーチと判断された表現に対して拡散防止に必要な措置を取る上、その概要と拡散防止のために講じた措置の内容、さらにはヘイトスピーチを行った個人や団体名を公表するとしています。
パブリックコメントでは表現の自由との兼ね合いや審査会の中立・公平性などを心配する声も少なからず届いていたようですが、大阪市はHPの特設ページで「意見募集にかかる主なご意見と本市の考え方」として極めて詳細かつ明確に疑問や不安に回答しています。
(PDFファイル)大阪市ヘイトスピーチへの対処に関する条例案
(Photos by thivier, Machine Made)
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