デマも捏造もなんでもあり、産経新聞のSEALDsネガキャンがあまりにもひどい

産経新聞が取材対象の発言を捏造した悪質なデマ記事を掲載しています。詳細は以下から。

◆茨城のシールズ？
問題になっているのは建国記念日の昨日にアップされた記事。【建国記念の日・護憲派集会】というトピックで「『茨城のシールズ』建国記念の日に街宣北ミサイルは『北と中国、米国がグル』」という記事が掲載されました。

トピックの通り、建国記念日に行われた護憲派の集会を記者が実際に訪れた様子が描かれていますが、そこでの発言の多くが捏造であったことを集会を行っていた団体がツイッターで暴露しています。

まずはタイトル中にある「茨城のシールズ」。シールズ（SEALDs）は言わずと知れた安保法制に反対する大学生らの団体で、2015年の流行語大賞トップテンにも選ばれています。

取材を受けた市民団体はsauda@ibr（そうだあっといばらき）という茨城県で立ち上げられています。産経新聞は記事の冒頭でこの団体を「『茨城のシールズ』を標榜する市民団体」と紹介した上で共同代表を務める女性が「シールズなどに影響を受けて昨年の7月に設立した。茨城のシールズを目指したい」と述べたとしています。

しかしこの発言について同団体のツイッターアカウントは

@Zero_B_Eventail @japonistan 言ってもいないこと、曲解もいいところです。「茨城のシールズ」なんて、シールズさんとはめざす方向は同じでも役割が違うし、活動の頻度も違う、とてもそんなことは言えないと答えたものです。ひどい記事です。
— そうだあっといばらき (@sauda2ibr) 2016, 2月 11

そうだの役割は「地元での世論喚起」であり、シールズのように中央で活躍というものではない。結成は国会前での活動を見て、ではあるが同じことを地方でできる訳がなく、役割も違う。年齢層も活動の仕方も違う。それぞれ独自のポリシーを持って活動していることに「〇〇の〇〇」など失礼な話だ。
— そうだあっといばらき (@sauda2ibr) 2016, 2月 11

として完全否定。産経記者側から「茨城のシールズ」というワードを持ち出してきたと説明されています。

そもそも「茨城のシールズ」は記者の方から言ってきたこと。こちらの発言ではない。今思えば、どうしてもそちらに持っていきたいようだったが、先刻からツイートしているとおり、めざす方向は同じでもやり方は違うからそんなことは言えないと答えている。「茨城のシールズをめざす」とも言っていない。
— そうだあっといばらき (@sauda2ibr) 2016, 2月 11

さらには共同代表の女性が「『北のミサイル発射は日本には危害がない。北朝鮮と中国、米国がグルになっている』などと仰天の発言を連発した」としていますが、

@hideki_imamura 言っていないです。マイク宣伝はしていないですし、署名とチラシの配布のみです(チラシにもそんなことは書いていません)。北朝鮮のミサイルについて聞かれましたが、自国民に対する人心掌握的な意味や、他国に対してはパワーバランスでしょう、と返答しています。
— そうだあっといばらき (@sauda2ibr) 2016, 2月 11

としていますが、女性は発言を否定。街宣活動（そもそもマイクでの街宣は行わず）の中でも配布したチラシでもそういった内容は書かれていないと断言しています。

加えてメンバーが遅れてきたことや、署名に対する反応、世代間の感心の高さの違いなども産経新聞の記事と団体側の意見はことごとく食い違っています。

改めて読むと本当にひどい。メンバーが遅れてきたように書かれているけれど、開始15分前にはみんな集まってます。署名を嫌がってるって、自分から署名に来る人も多かったし、何より若い世代の反応が大きかったのに、50～70代って…反対運動している側に一定の印象付けをしたいんだなと感じます。
— そうだあっといばらき (@sauda2ibr) 2016, 2月 11

◆SEALDs淫夢同好会？
産経新聞のデマも厭わないシールズ叩きはこれに始まったことではありません。つい先日も月刊正論2月号から転載された【メディア裏通信簿】というトピックの対談形式の記事内で、「SEALDs淫夢同好会」というネタアカウントを引き合いに出してネットユーザーらから嘲笑を浴びています。

女史大女優の吉永小百合さんが報道ステーションに出演して「武器を持たないということが積極的平和主義」と強調してたけど、それじゃ、平和は守れないよね。そう言えば、「SEALDs淫夢同好会」と名乗る人がツイッターに「イスラム国の皆さん、酒を酌み交わし対話しましょう。私達は暴力ではなく話し合いで解決しなければなりません」と書いたら、アラビア語でメールが届いたんだって。翻訳ソフトにかけると…

編集者 IS支持者ですかね？なんて書いてあったんですか。

女史《イスラムはアルコールを飲まない。神は禁止です。私たちはあなたを殺す》だって。

編集者（笑）

教授このメールはISじゃないかもしれませんが、要はそういうことです。テロリストと話し合いで解決できるというのは、おとぎの国のディズニーランドでしか通用しないファンタジーです。

（【メディア裏通信簿】古舘伊知郎さん！テロリストと安倍首相、悪いのはどっちですか？ - 産経ニュースより引用）

「淫夢」は過去の同性愛AVシリーズから派生した一連のネットスラングやコピペのネタで、検索すればすぐに分かる有名なもの。「SEALDs淫夢同好会」というアカウント名自体が完全にネタであることを示していますが、その投稿を確認もせず叩くために堂々と取り上げてしまう感覚は理解に苦しみます。もちろん調べてネタアカウントと気付いた上で叩いて見せているとすればより悪質です。

◆国会前デモでのミスリード
さらに過去に遡れば2015年夏のSEALDsらが行った国会前デモに関しても、現場レポートと称してミスリードを誘発する記事を掲載していたことは当時BUZZAP!でも取り上げています。

もちろんSEALDsと産経新聞は安保法制では真逆の主張を行っているため、SEALDsの主張を批判的に取り上げること事態はなんら不思議な事ではありません。

しかし事実誤認のミスリードに始まり、ネタアカウントの発言を事実確認もなしに取り上げ、さらには無関係な市民団体に本人たちの否定した「茨城のシールズ」とのレッテルを貼って発言まで捏造して叩こうとするのは明らかに異常。

これらは既に健全な批判の域を大きく逸脱しており、全国紙が紙面で学生の団体に対して（誰に対してでもですが）行って許される話ではないはず。いったい何が彼らをそこまで駆り立てているのでしょうか？

【建国記念の日・護憲派集会】「茨城のシールズ」建国記念の日に街宣北ミサイルは「北と中国、米国がグル」 - 産経ニュース