【ブラック省庁】厚労省が「労働基準監督署」の非正規職員の労働時間を勝手に延長→撤回に追い込まれる



ブラック企業を取り締まるはずの厚生労働省の、まさにブラックジョークと言う他ない不祥事が発覚しました。詳細は以下から。


厚生労働省が労働基準監督署で解雇や賃金不払いなどの労働問題に関する相談業務にあたる非正規職員の「総合労働相談員」について、賃金を変えずに労働時間を1日辺り15分から30分延長する契約更新を提案していたことが判明しました。

労働契約法によると労働条件の変更には労使の合意が必要と定められていますが、今回の変更に関しては何の説明もなくファクスなどで通知文を送られた相談員がおり、職員や労働組合が反発、17日に厚生労働省は提案の撤回に追い込まれました。

総合労働相談員は日本各地の労働局と雇用契約を結んだ非正規職員で、勤務は月15日の日給制、全国で約770人が就業しています。今回の変更は労働局ごとに1日の勤務時間がまちまちだったため、厚労省の新年度からの組織改編を機に7時間に揃えようとしたもの。

これに伴って勤務時間が短くなった人がいた反面、東京や埼玉などの7局の相談員217人は勤務時間が30分延長となり、賃金が変わらないために時給換算で100円近い賃下げとなる局もありました。

厚生労働省は今回の労働条件の変更を通知を1月中旬以降に通知。口頭で説明した労基署もありましたが、ファクスで通知文を送っただけのケースもあり、「まさにブラック企業のやり方そのものだ」との批判につながっています。

厚生労働省は2015年4月には東京労働局と大阪労働局に過重労働撲滅特別対策班、通称「かとく」と呼ばれる特別チームを設置。従業員に過酷な労働を強いるブラック企業への取り締まりを強化し、7月にはABCマートを違法残業を理由に労働基準法違反容疑で書類送検しています。

監督省庁が自ら設置した特別チームに摘発されるような状況になってはブラックジョークと言う他ありません。しっかりと襟を正すことが求められます。

厚労省:「まるでブラック」非正規相談員の労働時間延長 - 毎日新聞

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