安倍首相がTPPに関して驚きの発言を行いました。波紋が広がっています。
安倍首相は本日7日の衆院TPP特別委員会で民進党の柿沢未途議員の質問に答える形で「私自身はTPP断固反対と言ったことは一回も、ただの一回もございませんから、まるで私が言ったかのごとくの発言は謹んで貰いたい」と発言しました。以下動画の33分05秒から発言を聞くことができます。
柿沢未途(民進) VS 安倍総理 [国会中継]最新2016 04 07 - YouTube
安倍首相は自民党総裁として2012年の衆議院選挙を戦いましたが、この際の自民党総裁は同年9月26日に就任した安倍晋三議員でした。
この衆院選の際のマニフェストには「『聖域なき関税撤廃』を前提にする限り、TPP交渉参加に反対します。」と明記されており、柿沢議員のフリップにもあるように、ポスターには「TPPへの交渉参加に反対!」「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」と明記されています。
自らが総裁として臨んだ衆院選のマニフェストにここまで明確にTPPへの反対を謳っておきながら「TPP断固反対と言ったことは1回もございません」が通用するはずもありません。
さらに、首相就任後の2013年2月23日の国内外の報道陣に向けた記者会見での発言を見てみましょう。安倍首相はこのように発言しています。
私は選挙を通じて「聖域なき関税撤廃」を前提とするTPPには参加しないと国民の皆様にお約束をし、そして今回のオバマ大統領との会談により、TPPでは「聖域なき関税撤廃」が前提ではないことが明確になりました。
また、質疑応答ではNHKの質問に対して以下のように回答しています。
今般の日米首脳会談については、TPPの意義やそれぞれの国内事情について時間をかけてじっくりと議論をいたしました。私からは先の衆院議員選挙で聖域なき関税撤廃を前提とする限りTPP交渉に、交渉参加に反対するという公約を掲げ、また自民党はそれ以外にも5つの判断基準を示し政権に復帰をした、そのことを大統領に説明をいたしました。
(平成25年2月23日 内外記者会見 平成25年 総理の演説・記者会見など 記者会見 首相官邸ホームページより引用)
このように、オバマ大統領に対してもTPP交渉参加に反対していたことを伝え、国内外の記者の前でもその姿勢を明らかにしていた以上、この発言を無かったことにはできません。
なお、既に2015年10月に報じられたように、「聖域」として守り抜くとされたコメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖の原料の重要5項目の農産品の関連品目のうち3割を関税撤廃することが公表されています。
もし「『聖域なき関税撤廃』を前提とする」という条件付けをもって「TPP断固反対と言ったことは1回もございません」発言の言い訳とするのであれば、結局のところその「聖域」の3割をも失ったことに対する責任を取る必要があるのではないでしょうか?
集英社 (2011-03-17)
売り上げランキング: 14,977
・関連記事
自民党提出のTPP交渉資料が全てが黒塗りで議論不能状態に、当の甘利元大臣は未だに姿を見せず | Your News Online
租税回避の実態を明かした「パナマ文書」、日本政府がまさかの調査しない方針を明らかに | Your News Online
【選挙対策】数兆円損失見込みの2015年度の公的年金運用成績発表、「参院選後」まで先送りに | Your News Online
【悲報】産経新聞、総理大臣が「この国の最高責任者」だと勘違いしていたことが判明 | Your News Online
【悲報】「公共の福祉」と「公益及び公の秩序」の違いを自民党副総裁も理解していなかった→自党の改憲草案Q&Aに書いてありました | Your News Online