高レベル放射性廃棄物最終処分場、佐賀県玄海町が建設受け入れに前向き姿勢


Photo by Clint Lalonde

九州電力玄海原発が立地する佐賀県玄海町が「核のごみ」の最終処分場受け入れに前向きな姿勢を表明しました。詳細は以下から。


毎日新聞の報じるところによると、佐賀県玄海町の岸本英雄町長がインタビューに答える形で高レベル放射性廃棄物最終処分場の建設に前向きな姿勢を表明しました。岸本町長は「町が適地と示されれば町民説明会を開き、国とも協議したい」としています。

岸本町長はインタビューの中で2013年にスウェーデンの処分場候補地を視察したことに触れ「日本国内にも造るべきだとひそかに考えてきた。東日本大震災前から町議会とも非公式に議論をしてきて同じ考えが広がっていると思う」「将来の日本のエネルギー政策を成り立たせていく責任が立地地域としてある」と話しています。

受け入れ姿勢をこの時点で明らかにしたのには大きな理由があります。それは先日BUZZAP!でもお伝えした、経産省が最終処分場を海底の地下に建設するという方法の提示です。これを受けて岸本町長は「前向きになった。玄界灘はそれほど深くない。技術的には可能と考えている」として説明を変えました。

先日の熊本地震に関して玄海町の震度が2から3程度だったことにも触れ「(玄海原発周辺は)大きな岩盤が地下を占めており、過去に津波が来たという記録もない」として、「科学的な有望地」となるとの認識を示しています。

ただし、もちろん現段階では住民に対しての説明は行われていない段階。岸本町長も「問題は住民の理解。適地になれば覚悟を決めて説明しなければならない」としており、今後の展望は不明です。ただし、岸本町長はこれまでプルサーマル発電推進、中間貯蔵施設受け入れ検討、原発再稼働などを訴えて3期連続で当選してきた筋金入りの原発推進派。玄海町民が3期続けて支持し、当選させてきたことを考えればそこまで抵抗は強くないのかもしれません。

核のごみ最終処分場:玄海町長が受け入れ前向き - 毎日新聞

(Photo by Clint Lalonde


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