給食センターで9時間にわたる勤務時間中の排便を禁止、集団食中毒を受けた「緊急事態」と説明



生理現象すら禁止する職場が出現して話題になっています。詳細は以下から。


食事と排泄は呼吸や睡眠と同じ人間に必須の止めることのできない生理現象。しかし、そんな生理現象をも禁止するというブラック過ぎる職場が登場しています。

この信じられない禁止事項を設定したのは福井県若狭町の給食センター。「衛生管理マニュアル」を改定し、調理員の午前7時半~16時45分までの9時間15分に渡って排便を禁止したことが明らかになりました。

なぜこんな改定が行われたかというと、5月下旬に発生したノロウイルスによる集団食中毒。センターが休職を調理する8項の小中学校の中で21日から給食を食べた教職員や児童生徒が相次いで食中毒を発症。今月4日までに363人がノロウイルスに感染しました。

この影響で同給食センターは業務停止となり、7月中旬の再開に向けてマニュアル改定を進めていましたが、そうした中で「緊急事態」としてこの「排便禁止」が打ち出されたもの。

排便のタイミングや頻度は個人によって大きく違いますし、その日の体調によっても変わるもの。それを毎日9時間以上にわたって禁止されるというのは調理員にとって極めて大きな苦痛となりますし、体調不良の引き金ともなり得ます。「健康で文化的な最低限度の生活」を営む生存権を侵害しているとされても致し方ないでしょう。

センター側は「排便を我慢できない場合は、早退などの対応をとる」とした上で、「調理員が早退した場合に備え、予備調理員3人を確保した」と説明していますが、仕事の達成度だけで語れる問題ではないのは自明。

BUZZAP!では3年前に中米ホンジュラスで米韓資本の企業が従業員に対して「トイレに行く時間を節約して生産性を上げるために、大人用おむつを着用するように強制した」として弾劾された事案を紹介しましたが、まさかの日本で排便禁止というこれを上回るブラックな対応を目の当たりにすることは驚きを禁じ得ません。

日本には星の数ほどの飲食店や飲食サービス業がありますが、名だたるブラック企業であっても9時間以上にわたって従業員の排便禁止をマニュアルに定めるというのは前代未聞のこと。

手洗いの励行やトイレの消毒など、有効な対策が存在する中でのこうした極端な「厳しさ」の効果は疑問。これでは不祥事に対する「お詫び」や「反省」のポーズを示すために従業員を過度に鞭打っていると言われても仕方がないでしょう。

若狭町給食センター:勤務時間中の排便禁止…食中毒受け - 毎日新聞

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