2015年に溶けた年金は5兆3098億円で確定、GPIFがようやく正式発表



参院選の終わった今、ようやく溶けた年金が約5.3兆円であったことをGPIFが公表しました。詳細は以下から。


2015年度の年金運用成績が5.3兆円の損失を出したことを今日になって年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が公表しました。既にBUZZAP!でも7月1日の時点で5兆円越えであったことが6月30日の非公開の運用委員会で厚生労働省に報告されていたことを報じていましたが、GPIFの正式発表は参院選後の今日となりました。

GPIFが発足したのは2006年度。2007年度とリーマンショックの2008年度の後は東日本大震災のあった2011年を含め、民主・自民どちらの政権下でも兆単位の損失は出していませんでした(2010年度は2999億円の損失)。

政府とGPIFは市場運用を始めた01年度から累積では約45兆円の運用益を確保していることを強調し「年金積立金は長期的な視点で運用しており、短期的な変動にとらわれるべきではない」としています。

しかし、ここで問題とされているのは累積額の話ではなく、あくまで2014年10月にGPIFの公的年金運用ポートフォリオが変更され、国内株、外国株の構成比率が倍増されて50%にまで達したことで、より大きく株価の影響を受けるようになったことが裏目に出たために、リーマンショック以降最悪の損失を出したこと。

ここからの論点のすり替えを行った反論は単なる逃げに過ぎません。明確な責任が問われるべきでしょう。

公的年金、運用損5.3兆円=過去3番目の規模、株価下落響く-15年度:時事ドットコム


・関連記事
「溶けた年金」5兆円超、2015年度の運用損が確定 | Your News Online

【選挙対策】数兆円損失見込みの2015年度の公的年金運用成績発表、「参院選後」まで先送りに | Your News Online

笑えるほどに露骨、参院選前後に1250万人の年金受給者に3万円の臨時給付金バラマキを検討 | Your News Online

止まらない弱者切り捨て、精神障害者ら7.9万人への障害基礎年金が減額・停止へ | Your News Online

軽減税率でまさかの「子育て給付金」廃止、高齢者だけに優しい国に | Your News Online

「漏れた年金」問題にさらなるずさんな管理体制が発覚、外部機関の監視をなくした安倍政権の責任への批判も | Your News Online