月末金曜日は午後3時退社、プチ贅沢な消費を喚起する「プレミアムフライデー」が開始



給料日の後の金曜日はさっさと退社して消費活動を!という試みが始まります。詳細は以下から。


経済産業省と経団連、日本百貨店協会や日本チェーンストア協会など関連団体は、月末の金曜日に15時に仕事を終えて空いた夕方を買い物や旅行などにあてる消費喚起運動「プレミアムフライデー」を2017年2月24日から開始します。毎月もしくは隔月での実施を検討中とのこと。

これは冷え切っている消費を喚起すべく行われるキャンペーンで、デフレ脱却を目指しているため安売りセールは行わず、デパートや飲食店などが平日よりも高価な商品やサービスをキャンペーンに合わせて提供したり、旅行会社が土日を合わせたラグジュアリーなツアー商品を提案することが検討されています。

経産省はこのプレミアムフライデーに2億円の予算をあてており、世耕経済産業大臣は「安売りキャンペーンじゃない。消費者が豊かさを感じられるような、新たな消費喚起の取り組みが検討されていると伺ってる」とコメント。経産省の担当者も「『発泡酒でなくてきょうはビール』など少しぜいたくを促したい」などとしています。

もちろん消費が伸び悩んでいるのは一部の大企業や公務員を除いて賃金が上がっておらず、非正規雇用をはじめとした不安定な雇用形態がまかり通り、苛烈な長時間労働が横行していることに大きな原因があります。

多くの企業の給料日後である月末金曜日だけを午後3時退社にしたところで、果たして消費者の多くが「普段よりもちょっと贅沢な消費」を行えるだけの金を持っているのかというところには大きな疑問符が付きます。

また、月末は忙しい企業が少なくありませんが、この2時間の前倒しのしわ寄せが別日での残業や休日出勤に繋がるようであれば本末転倒となります。また、従事者の多いサービス業の従業員らにとっては消費どころか業務の負担増になる可能性が高く、どこまで効果が得られるかについては懐疑的な意見も少なくありません。

最低賃金を上げて十分な給与を保障し、将来性を担保する形態での雇用を促進し、労働時間に厳格な上限を定め、育児や介護への社会保障を充実させ、有給休暇を全部消化させる方がよほど消費活動に振り向けるお金と時間を確保できると思われますが、いかがでしょうか?

月末は午後3時終業、楽しい週末に 経産省と流通業界が「プレミアムフライデー」働きかけ - 産経ニュース

月末金曜日をプレミアムフライデーに 消費底上げ目指す _ NHKニュース

「プレミアムフライデー」来年2月末から 消費喚起  :日本経済新聞


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