横浜市の教育方針は極めておかしなものであることが判明しました。
東京電力福島第1原発事故によって福島県から横浜市に自主避難した中学1年の男子生徒がいじめを受けた問題について、生徒側が、同級生におよそ150万円を払わされていた行為もいじめと認定するように求めていることについて、横浜市教育委員会は「金銭要求をいじめと認定するのは困難」と述べました。
男子生徒はいじめを受けていた小学5年の時、同級生から「賠償金をもらっているだろう」と言われ、同級生らの遊ぶ金として自宅から現金を持ち出して1回5万~10万円を渡しており、その総額は150万円にも上っていました。
横浜市の第三者委員会が2016年11月にまとめた報告書では「金銭授受はいじめから逃れるためだった」と指摘しながらも「おごりおごられる関係で、いじめとは認定できない」と判断、生徒側は今年の1月10日にこの行為もいじめと認定するよう要望書を出していました。
しかし横浜市教育委員会の岡田優子教育長は「関わったとされる子どもたちが『おごってもらった』と言っていることなどから、いじめという結論を導くのは疑問がある」と述べ、再び小学生が総額150万円を同級生におごらされるという明確ないじめをいじめと認定しないという判断を下しました。
つまり、横浜市ではいじめから逃れるために被害者が金を払うのはいじめには当たらず、加害者が恐喝行為を行っても「おごってもらった」と証言すればいじめだとは認定されないことになります。
本気でそう考えているのであれば教育者として根本的に不適格。即刻の辞任が求められます。
【追記】
この対応は当然ながら空前の大炎上となり、横浜市教育委員会には400件以上の苦情の電話が殺到。同年2月14日には岡田優子教育長は「(金銭授受部分をいじめと認めていない)第三者委員会の結論と、事実確認にとらわれ過ぎた」と謝罪に追い込まれました。
その後市教委は当時の学校教育事務所長2人を戒告、指導主事室長と副校長を教育長文書訓戒処分とするなど6人を処分。ですが教育長に対しては地方公務員法に基づく懲戒処分ができないことを理由に、林文子横浜市長が岡田優子教育長を文書厳重注意するに留まりました。
岡田優子教育長は結局このまま2018年3月31日まで任期を満了して悠々と退任。市長から感謝状を受け取って「あっという間で、悩み続けた5年間だった」と振り返り、「横浜の子どもたちがしっかり成長していってくれることが、これからの希望」と穏やかな表情を見せていたとのことです。
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