トランプ大統領とメキシコのペニャニエト大統領がツイッター上で応酬、首脳会談がキャンセルに


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外交が想定外の新時代に突入してしまったようです。詳細は以下から。


1月31日に予定されていたアメリカ合衆国のトランプ大統領とメキシコのペニャニエト大統領による首脳会談がキャンセルになったことが報じられましたが、その主戦場はツイッターでした。

アメリカ合衆国のトランプ大統領は25日、かねてからの公約であったメキシコ国境での壁の建設を行う大統領令に署名しましたが、この壁の建設費についてこちらも公約通りメキシコに支払いを要求。

メキシコのペニャニエト大統領は当然ながら「メキシコが建設費用を支払うことはない」と突っぱねていました。トランプ大統領はこれを不服として昨夜の時点で個人アカウント(@realDonaldTrump)から「メキシコが壁の建設費を支払う気が無いのなら、首脳会談は中止した方がいい」とツイート。




極めて攻撃的で挑発的、かつ外交に大きく影響する公的な発言を個人アカウントで行ってしまう時点で絶句ものですが、ペニャニエト大統領もこの発言を受け、3時間後に同様にツイッターで「今朝ホワイトハウスに来週火曜日の首脳会談には参加しないと伝えた」とツイートし、しかも常にアカウントのトップに表示される「固定ツイート」に設定。




このツイートにはアメリカ合衆国大統領の公式アカウント(@POTUS)がメンション先として記載されており、名実ともにアメリカ合衆国とメキシコの公的なやり取りとなっています。

外交は非常にデリケートで、経験を積んだ多くのエキスパートたちが長い時間を掛けてすり合わせてゆくものであると考えられてきましたが、アメリカ合衆国の大統領がツイッターというネット世界の公衆の面前で平然と暴論を吐き、相手もそれに同じ土俵で応じるという前代未聞の事態が発生しています。

トランプ大統領はメキシコが支払いに応じないことに対し、壁の建設費を捻出するためにメキシコからの輸入品に20%の関税を掛ける事も検討しています。話題のスパイサー報道官は「この新たな枠組みを導入すれば壁の建設費を簡単に捻出できる」としており、アメリカの意向に従わないメキシコへの懲罰的な関税とも読み取れます。

なお、壁の建設については以下の動画などでも最大250億ドル(約2.8兆円)という高額すぎる建設費と山脈などの存在による建設の難しさ、未来永劫に渡るメンテナンスとセキュリティ管理のためにアメリカ人が膨大な税金を支払う必要があることなどから極めて馬鹿げたものであるとこてんぱんに叩かれており、15万回以上シェアされています。

REMINDER: Building a border wall WILL NOT WORK!

Adam Ruins Everythingさんの投稿 2017年1月25日


このような剥き出しのポピュリズムが何の覆いも無しに吹き荒れた結果がどうなるのか、それは今後の4年間で世界人類が身をもって思い知るということになるでしょう。

メキシコ大統領 トランプ大統領との首脳会談を中止 _ NHKニュース

米大統領、メキシコに20%輸入課税検討 壁の費用捻出 _ ロイター

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