安倍首相「過労死ラインは残業80時間だけどこれからは100時間未満なら合法ね、歴史的な大改革だろ?」


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安倍首相は国民が過労死しても問題ないと考えているようです。詳細は以下から。


過労死ラインを20時間も超える残業100時間を巡って争われていた残業時間の上限について、安倍首相の鶴の一声で「残業100時間未満は合法」に決着しました。

3月13日午後、経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長は首相官邸で安倍首相と会談。この席上で安倍首相は残業時間の上限規制について繁忙期に例外として認める残業を「月100時間未満」とするように要請しました。

これまで上限規制について経団連は「100時間以下」、連合は「100時間未満」で譲っておらず、安倍首相の最低に委ねた形で決着しました。安倍首相は労使合意について「労働基準法70年の中で歴史的な大改革だ」と自画自賛しています。

しかし過労死ラインが残業月80時間であることを考えると、残業時間の上限を「100時間以下」と「100時間未満(=99時間59分)」で綱引きしていること自体が現実から大きく乖離していますし、それを「100時間未満(=99時間59分)」で決着させたことが歴史的な大改革という認識には大きな疑問符が付きます。

この会談に先立って経団連の榊原定征会長と連合の神津里季生会長が作成した合意文書では労使の「三六協定」締結を前提に残業の原則的上限は「月45時間、年360時間」とし、繁忙期でも「原則的上限に近づける努力が重要」と強調していますが、原則がなし崩しになっている現状を鑑みても機能するとは考えられません。

また、これを超える残業の上限を2~6ヶ月平均でいずれも月80時間、年720時間(月平均60時間)、月45時間超の残業は年最大6カ月と設定し、これらの上限規制に違反した企業には罰則を科すとしています。年間で見ると原則的上限の2倍の時間までは残業させても罰則がないということになります。

この合意はあくまで第一歩であり、上限規制の導入から5年経過後、過労死の労災認定状況などを踏まえた上で必要に応じた見直しを行うともされましたが、導入から5年の間に「月100時間未満の残業」で過労死や仕事を続けられないような体調不良に陥る人が続出しなければ上限が変わらない事も考えられますし、死んだ人は「超えてゆくべき屍」扱いになるということです。

一方ネット上などで疑問の声が上がっているのが、過労死や過労自殺を含む労災認定。残業が100時間未満であれば合法となる以上、これを超えない残業での体調不良などは全て「自己責任」扱いになるのではないかという懸念が噴出しています。雇用側とすれば合法だから問題ないと言い抜けることも容易になりそうですが、どういった規則運用が為されるのか、厳しく注視していく必要があります。

また、これまで100時間以上の残業をしてきた人からは100時間を超えた分がサービス残業になるだけだとの意見もあり、いまだに全国的に蔓延するサービス残業への刑事罰を含む厳罰化が早急に求められます。

「月100時間未満」で決着=残業上限、安倍首相裁定に:時事ドットコム

残業:「月100時間未満」労使決着…繁忙期、初の上限 - 毎日新聞

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