日本の科学研究が失速、理由は交付金削減による若手の苦境とNature誌が指摘


Photo by UC Davis College of Engineering

高度な科学技術は日本の財産…だったはずですが、状況が変化してきていることが分かりました。詳細は以下から。


イギリスの世界的科学雑誌「Nature」によると、世界の高レベルな科学雑誌における日本の研究論文の割合がこの5年間で低下し、世界中の科学雑誌に投稿される論文の総数においても存在感が低下していることが分かりました。

世界のハイレベルな68の科学雑誌に掲載された日本の論文の数は2012年が5212本でしたが、2016年には4779本と5年間で433本減少しており、割合も2012年の9.2%から2016年には8.6%にまで低下しています。

同時に中国や韓国では研究費への支出が増大しており、日本の論文の割合が減る要因のひとつ伴っています。

また、Nature誌では北海道大学で5年間に15%もの人件費の削減が求められたことを例に挙げ、日本中で多くの若い研究者らが常勤の定職を得ることが困難になっているとします。

そもそも大学進学すら格差の拡大や奨学金問題などで難しい若者が増えているのが現状。そうした中で研究職を目指す若者が、安定した定職や将来の見通しを科学研究に見いだせないという状況は極めて憂うべきもの。

数々のノーベル賞を受賞してきた日本の科学界ですが、今後の見通しは明るいものでないことがよく分かります。

英科学雑誌 日本の科学研究の失速を指摘 _ NHKニュース

What price will science pay for austerity_ _ Nature _ Nature Research

(Photo by UC Davis College of Engineering


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