従業員だけが割を食う過剰サービスからの撤退に賞賛の声が相次いでいます。詳細は以下から。
Amazonでポチった当日に荷物が届く当日配送。確かに極めて便利ではありますが、そのサービスは流通業界からすれば非常に苛烈な要求でしかありませんでした。
宅配最大手のヤマト運輸は最大の取引先でもあるAmazonの当日配送サービスから撤退する方針を固めました。理由としては夜間配達の荷物が増加し、人手不足という現状の中で従業員の負担が激増しているためです。
これを受け、Amazonは一部地域で当日配送を日本郵便に振り分け始めていますが、日本郵便の配送能力はヤマト運輸の1/3程度とされており、将来的にヤマト運輸が当日配送からの全撤退を目指しているため、Amazonが当日配送サービスの量や地域を縮小する可能性があります。
Amazonは大口割引でヤマト運輸に運賃を支払っているため採算が悪く、取引停止も辞さない考えで運賃の値上げも求めています。このためAmazonは日本市場での今後の戦略を見直さざるを得なくなる可能性も十分にあります。
その場合、ユーザーにとっては現在年額3900円のAmazon Primeの値上げや当日配送を含めた対応サービスの減少なども起こりえますが、結果的にこの過剰サービスはヤマト運輸の従業員らの苛烈な重労働によってギリギリ破綻を免れてきたもの。
そのためか、ヤマト運輸が従業員の過労を理由に当日配送から撤退する事に関してはネット上では好意的な意見が極めて多くなっています。「過剰サービスだったし止めて正解」「そこまで急ぎなら自分で買いに行けばいい」「この調子で年末年始も休んだらいい」など、「お客様は神様」視点でのサービス提供を疑問視する声も多く、現場の従業員を気遣う声も多数聞かれます。
ロイヤルホストなどの外食産業の24時間営業の縮小・廃止に対しても「便利すぎる過剰サービスだった」という声が出ていたことから考えても、今後は企業としても利益にならず、従業員のマンパワーを安く使い潰さなければ維持できないようなサービスはどんどん減らしていくほうがよいのかも知れません。
アマゾンの当日配送撤退 ヤマトが方針:日本経済新聞
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