厚労省がブラック企業を全力で晒しに掛かっています。全力で応援するしかありません。詳細は以下から。
5月10日に厚生労働省は違法残業や賃金不払いなどの労働基準関係法令に違反した疑いで書類送検された企業の社名の公表を開始しました。
この日に公表されたのは全国の都道府県の労働局が2016年10月以降に労働基準法違反などの疑いで書類送検した334の企業名や事業所名。所在地や公表日に加えて違反法条、事案概要も明記されており、どのブラック企業がどういった違反を犯したのかがひと目で分かるようになっています。
今後は月に一度内容を更新する予定とのことで、公表機関は書類送検した日から約1年を予定。ただし期間中に違法状態を改善した企業の社名は削除するとのこと。
これまでも厚労省は各労働局に書類送検したブラック企業名を公表するように通達していましたが、HPで公表してきた労働局は7局のみでした。今後は書類送検したすべての企業名を各労働局のHPと厚労省のHPに掲載することになります。
掲載されるのは厚生労働省のHPの長時間労働削減推進本部のページ。
長時間労働削減に向けた取組|厚生労働省
公表されたブラック企業名のリスト、まさに「ブラックリスト」は以下から。
労働基準関係法令違反に係る公表事案(pdf)
参考資料の掲載基準については以下から閲覧できます。
【参考】公表事案のホームページ掲載の基準(pdf)
電通の新入社員の過労自殺を機とした緊急対策の一環ということもあり、もちろん電通は掲載されていますが、それ以外にもヤマトオートワークス、三菱電機、パナソニック、日本郵便など、大手企業の関連会社や事業所の名前を見て取れます。
人口や企業数の比率を考えても各都道府県で掲載数にばらつきがありますが、多いからブラック企業が多いのか、それとも労働局がきっちり仕事をしているという事なのかはここからだけでは判断はできません。
しかし、ブラック企業がどのような法律に違反したのかを含めて実名が公表されるのは大きな一歩。働く側にとっては就職先を選ぶ際の大きな目安になりますし、泣き寝入りせずに被害を訴えるモチベーションにも繋がります。
企業にとっても衆目に晒されるリスクが課されることで、社内のブラック労働発生の抑止力ともなり、労使どちらにとってもプラスになることは間違いありません。今後末永く続けていただきたい方針です。
違法残業で書類送検の企業名、厚労省がHPで公表開始:朝日新聞デジタル
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