安倍政権、北朝鮮より内閣不信任決議案の方が脅威だったことが明らかに


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北朝鮮のミサイルよりも自分が不信任を突きつけられる方が安倍政権にとってはより強大な脅威だったようです。詳細は以下から。


BUZZAP!では先日から安倍政権が臨時国会冒頭解散において北朝鮮のミサイル発射などに対する非難決議が見送られる公算であることをお伝えしてきましたが、その理由は驚くべきものでした。

◆内閣不信任案否決と衆議院解散・総選挙という不整合
安倍政権は森友学園問題・加計学園問題・南スーダンPKO日報問題などにおいて野党に批判の機会を与えずに逃亡したいという思惑があり、臨時国会の開会式も所信表明演説も行わないという異例中の異例の冒頭解散に踏み切ることを決めています。

しかしここで北朝鮮のミサイル発射に対する非難決議を採択するとなると、決議案採択の手続きに入った時点で野党が内閣不信任決議案を提出した上に政府批判の演説の機会を与えてしまうことになります。

さらには内閣総辞職を求める内閣不信任決議案を否決した直後に解散・総選挙を宣言し、内閣総辞職となれば直前の否決との整合性がまったく取れない状態になります。

◆「立法府の意思」表示を自身の批判逃れのために潰すということ
与野党が幹事長・国対委員長会談を開き、「立法府の意思を示す」ために臨時国会冒頭に非難決議を採択することで一致したのが北朝鮮の弾道ミサイル発射を受けた9月15日のこと。決議の採択は全会一致が慣例のため、与党はもちろん野党も含めた日本全体の一致した意思表示として北朝鮮への「圧力」を明示する絶好の機会であるわけです。

しかし北朝鮮を「これまでにない脅威」として国民を煽りこれまでとは異次元の圧力を科すべく、取り組みを進める必要がある必要なのは対話ではない。圧力だと強調しながら非難決議を見送るということは、結局のところ北朝鮮よりも内閣不信任決議案を恐れているということに他なりません。

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さらに言うならば、この行為は我々日本国民の代表である与野党が一致して国権の最高機関である「立法府の意思を示す」機会を、安倍首相が自分への批判から逃れるための都合で奪うということになります。これでは背信行為という批判を受けることにもなりかねませんが、大丈夫なのでしょうか?

衆院:北朝鮮非難決議見送りへ 与党が不信任案提出を警戒 - 毎日新聞

(Photo by keyaki, Sarah


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