24時間営業見直しに加え、例え店が閑古鳥でも本部は儲かるというシステムに驚きの声が広がっています。詳細は以下から。
ロイヤルホストを筆頭にファミリーレストランが24時間営業の見直しを始めたことが大きな話題になりましたが、ついにその並がコンビニエンスストアにも押し寄せてくることになりそうです。
◆人件費高騰に伴う24時間営業見直しへ
ファミリーマートは人手不足の深刻化を受けて一部店舗の営業時間を短縮する実証実験を実施しています。売り上げや人件費への影響を検証した上で24時間営業継続か見直しかを判断していくとのこと。
ファミリーマートは全国約1万7800店舗のうちオフィスビルや駅構内などの約5%を除いて24時間営業を行っています。しかし人手不足に伴う人件費の高騰によってフランチャイズ加盟店の経営が厳しさを増していることからこうした実証実験を始めたものです。
ただしコンビニは夜間の商品配送や陳列、清掃などを含めて24時間営業を前提とした経営モデルとなっています。このため、ライバル店との競争で不利になる可能性ことはもちろん、店内作業に留まらず流通までも巻き込んだ大幅なスキームの見直しが必要となります。
過去に一部店舗で24時間営業見直しの実験をしたローソンでは売り上げが落ち込んだことから見直しを見送った事もあり、今回の実験でどのような結果が出るか注目されます。
◆見直しを遅らせたロイヤリティー制度
しかし人手不足とそれに伴う人件費の高騰が叫ばれ始めたのはしばらく前のこと。ファミレスなどと違って24時間営業見直しの話がコンビニ業界から出てこなかったのには理由があります。それは本部が「まんじゅう1個でも売れれば黒字」という驚くべきシステムのため。
大手コンビニ各社はそのほとんどの店舗をフランチャイズ契約によって運営しています。その際、本部は売上高から商品原価を除いた「粗利益」の一定割合を、ロイヤルティーとして加盟店から受け取っているのです。
このため、フランチャイズ加盟店が24時間営業を維持するためにどれだけ人件費がかさみ、それに見合う売り上げが得られなかったとしても、まんじゅう1個、コーヒー1杯でも売れれば黒字という絶対に赤字の出ない契約になっているのです。
つまりフランチャイズ加盟店側のみが人件費などを差し引いた際の赤字を被り、例え店が赤字を出しても本部は黒字になるため、これまでコンビニ業界は黒字の目減りにしかならない24時間営業見直しに極めて消極的だったということになります。
◆ロイヤリティー制度のもたらす過労とブラックバイト
もちろんこうした非対称性の極みのような状況はフランチャイズ加盟店側にとっては足りないバイトの穴埋めなどによる過重労働の温床となり、本社からのノルマ達成の要求はアルバイトに対するおせちやケーキの購入強要といったブラックバイト案件の発生を促してきました。
また、コンビニ業界がこうした状況下で現代日本の奴隷制度である外国人技能実習制度をコンビニにも適用するように要求し、安価な労働力を酷使することで乗り切ろうと目論んでいることも事実。
コンビニが既に日本人にとっては重要なインフラとして機能していることは誰しもが認めるところですが、そのインフラの維持を末端のフランチャイズ加盟店や外国人技能実習生に押しつけて企業利益だけを追い求めるのでは、さすがに無責任の誹りは免れないでしょう。
ファミリーマート:「24時間」見直し検討 人手不足深刻化 実証実験 - 毎日新聞
ファミマ、24時間営業の見直し着手:日経ビジネスオンライン
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