【神対応】文科省「学校でのいじめ0件だと?子供や保護者に公表して検証な」



文科省のいじめに対する「積極的に認知」方針が本気です。詳細は以下から。


文部科学省が3月26日付で、各都道府県教育委員会などに出した通知が話題になっています。

通知では「いじめ0件」と報告した学校に対し、「0件」としたことを生徒・児童や保護者に公表し、把握漏れがないか確認することを要求しています。さらに、学校ごとに把握件数の差が大きい場合は、教委が調べることも求めるという徹底したもの。

◆文科省の大きな方向転換
この背景にあるのが、2015年8月に岩手県矢巾町で中学生がいじめを苦にして自殺したとみられる問題で、教職員がそれをいじめではなく「人間関係のトラブルやからかい」として、教育委員会に「いじめゼロ」と報告していたといういわば事実の「改ざん」問題。

文科省はこれを受け、いじめはどの学校でも起こる可能性があるもので、「0件」は実態を正確に把握していない可能性があると認識。いじめの認知件数の多い学校は「いじめが多い」のではなく「いじめを積極的に把握し、解消に向けて取り組んでいる」として、極めて肯定的に評価するという大きな方向転換を計りました。

◆いじめ認知件数の大幅増加と残る問題点
この結果として2017年10月に文部科学省が公表した全国の学校での前年度の「いじめの認知件数」は前年度より9万8000件以上増えて32万3808件となり、4割以上増加しました。逆に考えればそれまでは4割程度のいじめがいじめと認知されないままに見過ごされていたということになり、この方向転換による可視化は極めて大きな成果と言えます。


ですが、この調査でも小学校の28.2%、中学の22.4%、高校の46.8%は「0件」と回答しており、本当にいじめがなかったのか、それとも「隠蔽」されているのかが分からない状態でした。

◆今回の通知の意味
今回の通知が意味するのは、「いじめ0件」という誇らしげな勲章が事実なのか、それとも「隠蔽」や「捏造」で塗り固めた「フェイクニュース」なのかを当事者らの目に晒すことによって「ファクトチェック」を行うということ。

学校から教委を通して文科省へという当事者不在のひとつのチャンネルの中だけでの情報共有のあり方を壊し、当事者の視点によって実際に何が起きていたかが炙り出されるということになります。


もちろん学校から児童・生徒や保護者に対して箝口令のような「指示」や、「忖度」を求める有形無形の「圧力」が発生しないように、また発生してもそれが白日の下に晒されるような透明性の確保が必須である事は論を待ちません。

いじめは昔から脈々と続いている問題で、子供だけでなく大人も当たり前のように行っているもの。今すぐ根絶することなどは到底適わないにせよ、積極的に解決に向けて邁進する文科省の姿勢はまさに神対応と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか?

いじめ0件の学校は「検証を」 文科省、把握漏れ懸念:朝日新聞デジタル

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