外国人をより長期間奴隷労働に従事させた上にポイ捨てする方針を日本政府が表明しました。詳細は以下から。
◆さらに5年奴隷労働させるための制度を新設へ
外国人の人身売買と奴隷労働が海外からも批判されている外国人技能実習制度に関し、政府が2019年4月にも外国人労働者向けに新たな在留資格をつくる方針である事を日経新聞が報じました。
最長5年間の「技能実習」名目の奴隷労働に従事した外国人を、さらに最長で5年間就労資させるための資格を新設します。
新設する資格の名前は「特定技能(仮称)」というもので、2017年10月末で25万人いるとされる外国人技能実習生をさらに最長5年間、安価な労働力として使い潰すためのもの。新設する資格とあわせて通算で最長10年間に渡って奴隷労働を強いることが可能です。
◆「人手不足対策」の本音すら隠さず
新資格で就労すると技能実習より待遇がよくなるという触れ込みであることから、政府は「技能実習」から移行を希望する外国人が多いだろうと取らぬ狸の皮算用をしています。
農業、介護、建設など人手不足の業界を対象とするなど、もはや「人手不足解消の手段」という本音を隠すこともしておらず、政府は最低でも年間数万人の外国人奴隷を確保できると踏んでいますが、果たしてそううまくいくでしょうか?
◆しかしどうにかして永住権は与えない方針
問題は「技能実習制度とその本来の目的は維持する」という建前維持のため、新資格は一定期間母国に帰って再来日した後に与える方針だということ。
これは外国人の永住権取得の要件の一つに「引き続き10年以上の在留」があるためで、いったん帰国させることで技能実習と新資格で通算10年を過ごしても、直ちに永住権取得の要件には当たらないようにするという極めて小賢しいシステムとなっています。
要するに、外国人技能実習生は10年間低賃金低待遇で奴隷労働に従事させた後も、日本には絶対に居着かせずに叩き出す方針だと明言しているということ。
新資格の保有者はより専門性が高い在留資格に変更できるようにし、専門技能を問う試験に合格すれば海外の家族の受け入れや、在留期間の更新ができる既存の資格に切り替えられるとしていますが、どこまでこの約束が守られ、どれくらいの外国人に門戸が開かれるかは全くの未知数です。
◆失敗の未来しか見えないいくつかの理由
予定通り2019年4月から新資格がスタートしたとしても、最初の実習生が「特定技能(仮称)」の5年を終えるのは2024年の事です。その5年間で中国やベトナムを始めとした諸外国の経済はより発展し、賃金や待遇が逆転する可能性は(特に労基法違反の奴隷労働が蔓延する「技能実習」において)低くありません。
また既に帰国した外国人技能実習生らの口から、日本で強いられたセクハラ・パワハラ・外国人差別は当たり前、労働基準法すら守られない奴隷労働がいかに酷いものかという情報もこの情報化時代の中では拡散が始まっていると考えられます。
無説明で除染作業をさせて危険手当ピンハネしたり有給希望で強制帰国させるような状況下で、果たしてどれだけの外国人労働者が敢えてこの日本という最悪のディストピアを就労先に選ぼうとするかについては懐疑的に見る必要があるでしょう。
さらに新資格修了後の永住権を認めないのであれば、例え政府が本気を出して賃金や待遇を改善させて外国人が働きに来てくれるようになったとしても、その稼いだ賃金の大部分が家族の待つ祖国へと流出する事は間違いありません。
日本と言えばアジア諸国が跪いて「スゴイ!」と尊敬してくれる時代が続いていると勘違いして違法な奴隷労働を強いていては、日本は超少子高齢化社会を絶対的な人手不足の中で迎えるという最悪の「終末」を迎えることになるでしょう。
外国人、技能実習後も5年就労可能に 本格拡大にカジ:日本経済新聞
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