AIでまぶた監視し人間の居眠り防止、あまりの「逆転の発想」が大きな話題に



まさかAIを「奴隷監視」に使うとは…驚きの声が広がっています。詳細は以下から。


NECとダイキン工業が共同開発を発表したオフィスでの居眠りを防ぐシステムについての朝日新聞の居眠りさせないオフィス開発へ まぶた監視→室温下げるという記事がネット上で大きな反響を呼んでいます。

このシステムはパソコン画面などに設置されたカメラが働き手のまぶたの動きを追跡、まぶたの動き方に変化が出たら眠気におそわれ始めたと判断して部屋のエアコンの設定温度を一時的に数度下げて働き手に刺激を与えて目覚めを促すというもの。

NECは得意の顔認証技術でまぶたの動きをAIで分析し、追跡する技術を開発し、ダイキンはエアコンを制御して、眠気を感じた働き手だけに風をあてる技術を開発するとのこと。

AIは人間の仕事をより高度に代替する存在として、医療や法律などを含めた各分野で多様な試行錯誤が繰り返されていることはBUZZAP!でも何度も報じてきているとおり。

ですが、NECとダイキン工業が開発するこのAIシステムが行うのは奴隷を鞭打って働かせる奴隷使いの役割そのものです。

「生産性の向上をめざす企業に売り込む」とのことですが、AIで仕事を自動化して効率的に処理できるようにし、誰もが定時で帰れるようにする代わりに、人間をしばき上げてとことん働かせるという「逆転の発想」にはネット上でも驚愕の声が溢れかえっています。


そもそも眠気に対しては仮眠を取ることが効果的という話は自動車を運転する人にとっては基本中の基本。JAFも運転中の眠気対策の筆頭に仮眠をとる事を挙げており、本当に生産性を考えるのであれば、AIでエアコンの温度を下げる代わりに椅子をリクライニングさせてアイマスクを付けさせる方がよほど効果的なはずです。

休むこと、楽をすることを悪として徹底的に敵視する日本社会の「空気」がAIという最先端技術にまで入り込んできている様子が浮き彫りとなった…と言うこともできるかもしれません。

なお、本システムに関してはまぶたの動きは記録するものの、誰が居眠りしそうになったのかは特定できない仕様で、担当者は「勤務態度の監視には使えないようにする」としています。

しかしもちろんこれは技術的には十分に可能で、既に中国では中学校で顔認証システムを用いた「生徒が授業に集中しているか」の監視が始まっています。いつしか勤務態度も監視できる事を売りにした同様のAIシステムが市場に参入してくる可能性も十分にあるということは押さえておく必要がありそうです。


先日は「笑顔でないと出勤できない」顔認証の出退勤管理システムが話題となったばかりですが、出勤時に笑顔を強制され、仕事中は常にまぶたを監視される未来はオーウェルの「1984年」そのまんまのディストピアと言えるのではないでしょうか?

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