中学校で顔認証システムを用いた「生徒が授業に集中しているか」の監視が始まる



ど真ん中直球のディストピアとなっています。詳細は以下から。


ICTを中心に目覚ましい速度で技術革新の続く中国。スマホやドローン、EVなどの分野では日本に大差を付けてリードしていることは既に各所で報じられているとおり。

最近では全国に広がる「天網」という顔認証システムによって犯罪者や行方不明者を高精度で発見しているというニュースも報じられていましたが、なんとそうした顔認証システムが学校にまでやってきています


とはいっても、不審者対策として校門に設置されているわけではありません。教室に設置されて生徒が授業に集中しているかどうかを監視しているのです。

「Smart classroom behavior management system」というなんともディストピア感溢れる名前で呼ばれるこのシステムは、中国の杭州にある第11中学校というディストピア感に満ち溢れる名前の中学校で運用が始まっています。

3台の高性能カメラが黒板の上に設置され、30秒ごとにAI搭載のソフトウェアに生徒たちの表情や全体的な振る舞いの情報を送信し、生徒らが授業を満喫しているか、上の空であるかを査定します。


このこのシステムのAIは普通、楽しい、悲しい、失望、怒り、恐怖、驚きの7つの感情を認識することが可能で、気が散った生徒がいた場合には教師に通知が送られます。と同時に、この監視システムに集積されたデータは教師の教え振りを査定するためにも使用されます。


現在では杭州の第11中学校のみで導入されているこのシステムですが、有用だとの結果が出れば中国中に広がることになるかもしれません。

第11中学校の教師によると、このシステムは生徒らに、彼らがどこで最も集中しており、どこが問題なのかを示すためにあるとのこと。この教師はRadio Free Asiaの取材に

生徒の中には常に監視されていると考える者もいますが、それは大袈裟に捉えすぎています。プレッシャーに感じいているのかもしれませんが、それはこのシステムの要点ではありません。このシステムは生徒らが授業で常に正しく学ぶためのものなのです。



と「1984年」に出てきそうな台詞を返しています。ただし実際の効果は上がっていて、監視カメラを気にして態度を改めた生徒もいます。ある生徒は

前は面白くない授業の時は、ダルいから机に突っ伏して居眠りしたり別の教科書を眺めてたりしてたんだ。でも監視カメラが導入されてからは気を散らしてないよ。不気味な目にずっと見られているようで。



と漏らしています。動画はこちらから。


もちろんこの監視システムは生徒の様子をモニタリングしているわけですが、同時に教師の授業の質も常に監視していることも意味しており、教師による生徒の一方的な監視ではありません。

別の言い方をすれば生徒も教師も共に監視され、その様子をデータに取られているということ。ここから先の話しはあの有名な台詞に代弁していただきましょう。

「ビッグ・ブラザーはあなたを見ている(Big Brother is watching you)」

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