著作権が切れれば何をしてもいいのでしょうか?詳細は以下から。
現代まで日本を含めた世界中で多くのファンを持つサン=テグジュペリの不朽の名作「星の王子さま」。日本では著作権が切れたことにより多くの新訳が出回っている状況ですが、あの人物がタイアップすることが物議を醸しています。
◆「世界一のクリスマスツリーProject」騒動のあの人物
その人物とは昨年末に神戸で阪神淡路大震災への鎮魂というお題目で樹齢150年のあすなろの木を引き抜いてギネス記録を狙うという「世界一のクリスマスツリーProject」を大炎上させたプラントハンターを自称するそら植物園代表の西畠清順さん。
「輝け、いのちの樹。」というキャッチコピーのもとで震災の「復興と再生のシンボル」と位置づけつつ、バラバラのバングルに加工してフェリシモから販売しようとするなどしたことにも全方位的に批判の声が上がり、中止を求める署名活動も行われました。
結局、西畠清順さんは「応援してくれる人や団体に心配や迷惑を掛けたことは謝罪するが、世間に謝っているわけではない。ツリーを見るのが嫌な人は見なければいい」として謝罪も中止も拒否、批判の本質からは目を背けたままイベントは強行されました。
◆今度は「星の王子さま」とのタイアップ
その西畠清順さんが自らのInstagramで星の王子さまとのタイアップを発表したのは6月25日のこと。その時期から一部では批判する声も上がっていました。
その後8月3日付で日本緑化企画株式会社なる企業が「『星の王子さま』 バオバブの苗木 「アヲ GINZA TOKYO」で限定発売!」なる正式なプレスリリースを発表したため大きく知れ渡ることとなりました。
プレスリリースによると、「日本出版販売株式会社」と西畠清順さんの「そら植物園」による合弁会社、日本緑化企画株式会社が「星の王子さま」とコラボレーションしたバオバブの苗木を発売します。
この商品は、銀座のソニービル跡地に8月9日(木)にオープンする「Ginza Sony Park」内の店舗「アヲ GINZA TOKYO」で1000個に限って限定販売(税込6480円)されることになります。
今回のタイアップが物議を醸す大きな理由はもちろん西畠清順さんが「世界一のクリスマスツリーProject」で行ったこととその対応に起因します。
1本の薔薇に対する王子さまの深い愛情に心動かされた人にとって、あの騒動を引き起こした西畠清順さんとのタイアップが受け入れがたいものであることは想像に難くありません。
また、あの美しい挿絵に同じタッチで西畠清順さんが星の王子様と差し向かいで描かれるという「改変」や、このタイアップ商品だけのオリジナルストーリーの掲載など、長く原作を愛してきたファンであるほどに我慢ならない要素が満載されており、作品に対する冒涜だという声も上がっています。
結局のところこれはプラントハンターを自称する西畠清順さんがセネガル共和国のバオバブ農場で「仕入れ」てきたバオバブの苗木の販売戦略でしかなく、「世界一のクリスマスツリーProject」が阪神淡路大震災の鎮魂をダシに使ったように、今回は「星の王子さま」をダシにビジネスをしているだけだという誹りは免れないでしょう。
「いちばんたいせつなことは、目に見えない」という言葉は「星の王子さま」の中で語られ、多くの読者の心に響きました。先の騒動で「見るのが嫌な人は見なければいい」と言い放った西畠清順さんはこの言葉をどう捉えるのでしょうか?
【8/11追記】
発売3日目にしてGinza Sony Parkが販売中止をアナウンスしました。詳細は以下記事からご覧下さい。
自称プラントハンターによる「星の王子さま バオバブの苗木」、大炎上により販売中止に | Your News Online
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