「『愛・感動、I can do』の精神がなきゃダメ」片山さつき地方創生相が就任早々韻を踏んだ場外ファウル発言



脈々と続く場外ファウル発言に初入閣記念の新たな1ページが加えられました。詳細は以下から。


第4次安倍改造内閣の紅一点として大抜擢され、地方創生相として初入閣を果たした片山さつき議員。就任早々お馴染みの場外ファウルを打ち上げています。

片山地方創生相は鳥取県岩美町で記者団に対し、地域に『まち・ひと・しごと』を取り戻せるかどうかは、『愛・感動、I can do』の精神がなきゃだめだと発言。

この発言は「愛・感動」と「I can do」で見事なまでに韻を踏んでおり、片山地方創生相の初入閣の意気込みがそのまま形になったスローガンと言うことができそうです。

ただし、片山地方創生相はこのスローガンを直後に自ら解説しているのですが

つまり、そこに前々から住んでいる方も、新たに来られる方も、そこに対する「愛」があり、何らかの「感動」を与えるような新しいものを付け加えないと、なかなか「まち・ひと・しごと」が来ない。


と、付け加えるべきものが「何らかの『感動』を与えるような」というあまりに曖昧模糊とした内容ながら、しっかりと新旧の住民に対しては「郷土愛」を要求しています。

具体例としてあげているのは鳥取砂丘コナン空港で、以下のように発言しています。

コナンを使った店舗のつくりなど、本当に若い方が空港に来ることを目的として、訪れるに値する。今の言葉で言うと「インスタ映え」というのも重要だ。


「インスタ映え」と地方活性化を結びつけたのは安倍首相その人で、2017年12月に内外情勢調査会全国懇談会で講演し地方活性化の鍵はSNSにありますとして「インスタ映え」する街道風景を増やしていく事で地方が活気づくと述べています。

この発言は当時も、農業や漁業といった1次産業や製造業のような2次産業を主としている自治体を無視し、観光業に偏りすぎた視点であると批判されましたが、今回敢えて再び「インスタ映え」を持ち出したこの発言は安倍首相への「目配せ」とも言えそうです。

もちろん過疎化が進み、人手不足や後継者不在が地方自治体では特に大きな問題となっている現状を改善し、国内産業の保護や育成は必須で、これらを観光客向けの「インスタ映え」でどうにかすることはできません。

歯の浮くような韻を踏む「才能の無駄遣い」をしている場合ではないのですが、大丈夫でしょうか?

◆片山議員のこれまでの場外ファウルを見てみましょう
片山さつき議員はこれまでも様々な場外ファウルで世間を賑わせてきました。上記画像でもお馴染みの、絶滅が危惧される日本のウナギの保護を「食べて応援する」ポスターへの出演はその中でも最もかわいげのあるもの。


古くから生活保護バッシングの急先鋒であり、国会議員であるにも関わらず生活保護を「生きるか死ぬかがもらうものなんですよ」という完全に間違った認識の下で「次長課長」河本準一の母親など、芸能人の親族が生活保護を受給していた問題を筆頭に、苛烈な生活保護受給者叩きを行ってきた事は周知の通り。


また御嶽山噴火被害を「民主政権の事業仕分けが原因で拡大」とデマを拡散して炎上して謝罪に追い込まれたことはBUZZAP!でも詳細に報じたとおり。


もちろん片山発言永遠の伝説である「天賦人権説をとるのは止めよう」発言を忘れるわけにはいきません。この発言の後に政治家でいられているという事実の奇妙さを私達は改めて考える必要があります。


上記の「愛・感動、I can do」も地域住民に郷土愛を求めるなど、さりげなく保守性の盛り込まれたスローガンであることは既に触れましたが、この片山議員の「国があなたに何をしてくれるか、ではなくて国を維持するには自分に何ができるか」を考えさせようとする姿勢を見ると、決して笑って済まされるような話ではないことが分かります。

◆片山議員と在特会、自称保守界隈との密接すぎる関係
そして片山地方創生相と差別主義団体在特会、さらに自称保守界隈との親和性については、しっかり押さえておく必要があります。

片山議員は2012年にヘイトスピーチやデマの温床として悪名高いまとめサイトのひとつ、ハムスター速報についてみんな、ハム速を守ろう!とツイートして大炎上しています。


この発言の2分前にはハム速の慰安婦像に関する記事をツイートし、先日からBUZZAP!で繰り返し報じている自称保守界隈の「歴史戦」への支援を感謝するツイートもしています。


同年、差別主義団体在特会と関わりの深く、在特会のヘイトデモにも参加しているメタル兄弟なる2人からインタビューを受けており、この2人が企画した「片山さつき議員応援デモ」に本人が参加。


また、2013年には在特会の「日韓国交断交デモ」終着点で、さいたま市長選の自民党候補の応援演説に来ていた片山さつきが飛び入り演説もしています。



この件に関し、片山議員が在特会に近づいた理由や経緯を元夫の舛添要一前都知事が語っています。杉田水脈議員や稲田朋美元防衛相を筆頭とした極右の自民党女性議員が大きく取り上げられる昨今ですが、それらが決して偶然ではないことがここで語られています。

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