「沈黙は金」という言葉が日本にはありますが、その姿勢が国際政治の舞台で通用すると考えているのでしょうか?詳細は以下から。
◆河野外相が記者会見で質問を4回続けて無視
12月11日の記者会見で、河野太郎外相は北方領土問題を含む対ロシア外交を巡る質問を完全無視してしまいました。
河野大臣は記者会見で、ロシアのラブロフ外相が北方領土の自国支配は合法的だと主張したことへの見解をただされ、「次の質問どうぞ」とだけ答えて無視。その後も関連する質問が続きましたが河野大臣はさらに3回に渡って「次の質問どうぞ」と無視します。
外務省の「河野外務大臣会見記録」という公式サイトにその模様がアップされていますが、文字で見ると非常にシュールです。
さらにシュールな情景を見てみたい方はこちらの公式動画から。当該質問は6:40頃から始まります。
この問題に関しては最後に記者が「公の場での質問に対し、そういう答えは適切でないのではないか」と指摘してようやく「交渉に向けての環境をしっかり整えたい」と答えただけでした。
◆ロシアは強行に北方領土の領有を主張
ロシアのラブロフ外相は12月7日、訪問先のイタリア・ミラノでの記者会見で北方領土問題について「『北方領土は第二次大戦の結果としてロシア領になった』と日本が認めない限り、平和条約締結に向けたいかなる協議も不可能だ」と日本側をけん制しています。
また、トルトネフ副首相も「両首脳は、島の引き渡しの問題についてこれまでいっさい議論していない」と曝露し、強い姿勢で交渉に臨むことを強調しています。
そうした状況下で、記者会見の場でロシア側の主張に対する質問を受けながら、条約交渉の責任者である外務大臣がはっきりと日本政府の「北方四島は日本固有の領土である」という主張を述べることができなかったことは極めて重大です。
◆相手の主張に反論しなければ同意と同じ
河野外相は12月5日の衆院外務委員会でも「(日本から)さまざまな発言が出ると相手側が反応する。反応したことが後々に影響を及ぼす」と発言しており相手を刺激するのを避ける配慮とも考えられていますが、外務省の公式サイトには「日本の基本的立場」として以下のように記載されています。
北方領土は、ロシアによる不法占拠が続いていますが、日本固有の領土であり、この点については例えば米国政府も一貫して日本の立場を支持しています。政府は、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するという基本的方針に基づいて、ロシア政府との間で強い意思をもって交渉を行っています。
(北方領土問題とは? | 外務省より引用)
つまり、河野外相が発言しようがしまいが日本政府の公式見解が変化することはありません。そうした中での沈黙は、自らが相手の主張に反論すらできないほど弱腰であると相手に示すことになってしまいます。
国際政治の場で相手の主張に何も反論しなければ、異議がないと認めたことになるのは常識中の常識ですが、いったい河野外相には北方四島を取り戻すためのどのような「秘策」があるのでしょうか?
河野外相といえば外遊先の数が4年8ヶ月努めた岸田前外相の51ヶ国・地域を就任から1年4ヶ月で既に越えて58ヶ国・地域となり、2019年度のチャーター機の予算が6倍になったことも報じられました。
河野外相は記者会見で「これだけ国際化が進んでいる中、外相と外務省職員がしっかり動ける予算が必要だ」とも述べています。しかしそれだけ飛び回っていながら固有の領土である北方四島を守れないのであれば、外相として本末転倒と言われても致し方ありません。
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